

- 喀痰吸引演習って具体的に何するの?
- 失敗したら不合格になる?
- 緊張対策・実技手順を知りたい
介護現場で10年勤務した介護福祉士・社会福祉士の有資格者。
本記事は10年の現場経験と取得時の学習経験を踏まえて執筆しています。
この記事でわかること
- 喀痰吸引演習の16時間カリキュラム内容
- 5回演習で必ず合格する手順
- 緊張・不安を解消する3戦略
喀痰吸引演習って何?医療的ケアの基礎
喀痰吸引は気道に貯まった痰を吸引器で除去する医療行為です。
2012年の法改正で介護職員も一定の研修を受ければ実施可能となりました。
実務者研修では「医療的ケア」科目50時間のうち、演習16時間を通学で行います。


医療的ケア50時間カリキュラムの内訳
| 科目 | 時間 | 内容 |
|---|---|---|
| 医療的ケア概論 | 10時間 | 座学・通信学習 |
| 喀痰吸引演習 | 10時間 | 通学・人形演習 |
| 経管栄養演習 | 6時間 | 通学・人形演習 |
| 確認テスト | 数時間 | 演習修了確認 |
喀痰吸引演習で学ぶ3部位
① 口腔内吸引:口の中に貯まった痰の吸引(最も基礎)
② 鼻腔内吸引:鼻から細いチューブを入れて吸引(中級)
③ 気管カニューレ内部吸引:人工呼吸器装着者の気管チューブ内吸引(上級)
演習対象は全員人形(シミュレーター)のため、生身の人体に対しては行いません。
「失敗したら患者を傷つける」リスクはゼロのため、安心して取り組めます。
人形相手の演習なので「失敗リスクゼロ・何回でも練習可能」。9割以上の受講生が5回の演習で合格レベルに到達します。「医療行為が怖い」という心理的ハードルは、実際にやってみると拍子抜けするほど低いです。
5回演習で必ず合格する手順
喀痰吸引演習は「事前手順説明→講師実演→受講生5回練習→確認テスト」の流れです。
5回練習で合格レベルに到達できる設計となっています。
演習日のタイムスケジュール
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 9:00-9:30 | 開講+手順説明 |
| 9:30-10:30 | 講師実演+器具説明 |
| 10:30-12:00 | 受講生1回目演習(指導付き) |
| 13:00-15:00 | 受講生2-3回目演習(慣らし) |
| 15:00-17:00 | 受講生4-5回目演習+確認テスト |


喀痰吸引の標準実施手順10ステップ
① 利用者へ説明と同意:「お痰を取らせていただきますね」
② 物品準備:吸引器・吸引チューブ・洗浄水・ティッシュ
③ 手洗い+使い捨て手袋装着:感染予防
④ 利用者の体位確認:誤嚥防止のため上体を起こす
⑤ 吸引チューブ接続+作動確認:吸引圧の調整(20kPa以下)
⑥ チューブ挿入:口腔内10cm以内・鼻腔内15cm以内
⑦ 痰吸引実施:1回10秒以内で素早く
⑧ チューブ洗浄+片付け:洗浄水で吸引チューブをきれいに
⑨ 利用者状態確認:呼吸状態・顔色・表情のチェック
⑩ 記録:吸引時刻・吸引物の量・性状を記入
「説明→準備→手洗→体位→接続→挿入→吸引→片付→確認→記録」の10ステップを覚えれば、本番演習では自然と動けるようになります。手順表を演習1週間前から音読しておくと安心です。
緊張・不安を解消する3戦略
戦略①:演習1週間前から動画で予習
YouTubeで「喀痰吸引手順」検索すれば、無料動画が多数公開されています。
実演動画を5-10回視聴すれば、本番のイメージトレーニングが完了します。
「動画で見たことがある」状態なら本番の緊張は半分以下に抑えられます。
戦略②:同じグループの仲間と相互練習
演習当日は「3-4人グループでの相互練習」が一般的です。
講師の目を離れた休憩時間に、仲間同士で手順を口頭確認するだけでも記憶定着率がアップします。
「仲間と一緒に頑張る」感覚を持てば、孤独な緊張感から解放されます。
戦略③:深呼吸+「失敗OK」マインドセット
演習前に深呼吸3回を実施し、心拍を落ち着かせます。
「人形だから失敗OK」「初回なんだから上手くいかなくて当然」と自分に言い聞かせましょう。
完璧を目指さず、「指導された通りに動く」を最優先することで余計な緊張を回避できます。
「動画予習+仲間練習+失敗OKマインド」の3戦略で、本番の緊張は大幅に減少します。10年現場で見てきた合格者は全員「最初は緊張したが、3回目で慣れた」と振り返っています。
実務者研修受講者の体験談3パターン
体験パターン①
30代主婦のAさんは演習初日「手が震えてチューブが入らなかった」状態でした。
しかし3回目の練習で「自分のリズム」を掴み、確認テストでは合格判定を受けました。
「最初の緊張は誰でも経験する。
3回やれば慣れる」と振り返っています。
体験パターン②
元IT系SE40代のBさんはYouTube動画を10回以上視聴して臨みました。
演習当日は「動画と同じ」と感じ、初回から手順がスムーズでした。
「事前準備の効果は絶大。
動画予習が緊張対策の最強ツール」と振り返っています。
体験パターン③
看護助手5年経験のCさんは医療現場での実務経験があり、演習初日から余裕でした。
講師に頼まれてグループ内のリーダー的役割を果たしました。
「医療系経験があれば喀痰吸引演習は朝飯前」と振り返っています。
演習で失敗する人の3つの共通点
共通点①:事前予習ゼロで臨む
「演習当日に初めて手順を見る」と確実に挫折します。
初見の医療行為に対応できる人は稀で、ほぼ全員が混乱します。
演習1週間前から「YouTube動画+手順表音読」を実施。「動画で見たことがある」状態で当日臨むのが最低条件です。
共通点②:緊張で手順を忘れる
「頭が真っ白で手順が抜ける」のが当日最大のリスクです。
特に「利用者への説明」「手洗い」など基本動作を忘れがちです。
演習中は「手順表を口に出して確認」する許可を講師に依頼。声に出すことで手順抜けを防げます。
共通点③:他人と比較して自信喪失
「他の受講生は上手いのに自分はダメだ」と思い込むと自信を失います。
医療系経験者(看護助手等)は確かに最初から上手いですが、未経験者と比較する必要はありません。
「自分のペースで5回練習する」ことを最優先。他人と比較せず、5回目に手順が滑らかになれば合格レベルです。
演習後の就職現場での実施範囲
実務者研修修了で喀痰吸引・経管栄養が実施可能になりますが、現場での実施には追加要件があります。


実務者研修修了→現場実施までの流れ
① 実務者研修修了:医療的ケア科目修了
② 認定特定行為業務従事者登録:都道府県への申請
③ 勤務先施設の指定研修受講:施設独自の追加研修
④ 看護師による現場指導:実際の利用者で看護師同行下で実施
⑤ 単独実施可能:看護師確認後に介護職単独で実施
実務者研修修了直後に「いきなり利用者に喀痰吸引」はあり得ません。「学習→登録→施設研修→看護師指導→単独実施」の段階を経るため、現場でも安心してスタートできます。
実務者研修の喀痰吸引演習に関するよくある質問
Q1. 喀痰吸引演習の合格率は?
99%以上です。
5回演習+確認テストで「手順を概ね覚えている」と判定されれば合格となります。
完璧な実技は求められず、安全に手順を実施できれば修了可能です。
Q2. 不合格になったらどうなる?
再演習で対応します。
5回練習で合格レベルに到達できない場合、追加演習日が設定されます。
受講料追加なしで再演習を受けられるため、過度に心配する必要はありません。
Q3. 演習日に休んだらどうなる?
振替日設定が標準です。
やむを得ない欠席は、次回演習日に振替可能なスクールがほとんどです。
修了予定が1-2週間延びる可能性はありますが、修了できないわけではありません。
Q4. 演習に持ち物はありますか?
動きやすい服装+スニーカー+筆記用具のみです。
器具はスクールで全て準備されるため、持参不要です。
髪が長い人はゴムで結ぶことを推奨します(衛生面・実技動作の妨げにならないため)。
Q5. 看護師資格があれば演習免除?
一部免除制度ありです。
看護師は喀痰吸引が看護業務に含まれるため、医療的ケア科目の一部免除を受けられるスクールがあります。
入学時にスクールに「看護師の医療的ケア免除規定」を確認しましょう。
経管栄養演習の概要|喀痰吸引と並ぶもう1つの医療的ケア
実務者研修の医療的ケア科目には喀痰吸引10時間+経管栄養6時間があります。
経管栄養も同じく演習が必須となります。
経管栄養演習で学ぶ3部位
① 胃ろう経管栄養:腹部から胃に直接通したチューブから栄養剤注入
② 腸ろう経管栄養:腹部から腸に直接通したチューブから栄養剤注入
③ 経鼻経管栄養:鼻から喉を通り胃まで通したチューブから栄養剤注入
経管栄養演習も人形(シミュレーター)相手で実施します。
栄養剤注入の手順学習が中心で、喀痰吸引より静かな演習となります。
経管栄養の標準実施手順8ステップ
① 利用者へ説明と同意:栄養注入の開始説明
② 物品準備:栄養剤・注入バッグ・チューブ
③ 利用者の体位確認:上体を30-45度起こす(誤嚥防止)
④ チューブ位置確認:胃内挿入の確認
⑤ 栄養剤接続+注入開始:滴下速度の調整(15-30分かけて)
⑥ 注入中の状態観察:嘔吐・咳込み・腹部膨満感等のチェック
⑦ 注入終了+チューブ片付け:洗浄+消毒
⑧ 利用者状態確認+記録:体位30分維持・記録記入


喀痰吸引=「動的な技術習得が中心」、経管栄養=「観察と判断力が中心」。両方とも人形相手で5回練習すれば合格レベル到達可能です。「動きが苦手」な人は経管栄養の方が楽に感じる場合もあります。
喀痰吸引・経管栄養を学ぶ意義|介護現場での価値
医療的ケアの修得は「介護福祉士の付加価値+施設選択肢拡大+年収アップ」の3つの恩恵をもたらします。
修得3つの恩恵
① 介護福祉士の付加価値:医療行為対応可能な介護福祉士は希少人材として重宝。
② 施設選択肢拡大:医療依存度の高い特養・有料老人ホーム・障害者支援施設で活躍可能に。
③ 年収アップ:「医療的ケア対応可」の資格手当が月+5,000-受講料(公式参照)付く施設多数。


喀痰吸引・経管栄養スキルは「介護現場での絶対的優位性」を生み出します。「演習が怖い」という一時的な感情を乗り越えれば、長期的なキャリアの大きな武器となります。


演習日はコンディション最優先です。
体調管理を入念に行い、演習1週間前から十分な睡眠+栄養摂取を心掛けましょう。


「不安があるからこそ準備する」姿勢が、結果的に最高の演習成果を生み出します。
多くの合格者は「演習前は不安だったが、終わってみれば達成感の方が大きかった」と振り返っています。
まとめ
実務者研修の喀痰吸引演習は「人形相手の演習で失敗リスクゼロ・合格率は公式参照以上」の安全な学習環境です。
演習10時間+5回練習で、ほぼ全員が合格レベルに到達できます。
不安解消の3戦略は「動画予習+仲間練習+失敗OKマインド」です。
演習修了後の現場実施には「認定登録+施設研修+看護師指導」の段階があるため、いきなり1人で利用者対応することはありません。
「医療行為が怖い」という心理的ハードルを乗り越えれば、実務者研修修了+介護福祉士国試合格の最重要関門をクリアできます。
介護福祉士・社会福祉士の有資格者。
介護現場10年の実務経験を持ち、医療・介護資格情報を発信中。

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