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🎯 結論(先に要点)
試用期間中でも退職は可能です(期間の定めのない雇用は民法上、申し出から2週間で終了)。ただし「辞めていいケース」と「もう少し様子を見るべきケース」があります。求人票と実際の労働条件が違う場合は法律上すぐに契約を解除できる一方、単なる環境の慣れの問題なら1〜2か月で解消することも多いです。この記事では判断基準5つ→円満な伝え方→短期離職後の転職の立て直しの順で解説します。
入職して数週間、「思っていた職場と違う」と感じながら働くのは本当に苦しいものです。
結論からいえば、試用期間中でも退職はできますし、それ自体が「逃げ」や「非常識」というわけでもありません。
ただし、辞め方と辞めた後の動き方を間違えると、次の転職で不利になったり、同じミスマッチを繰り返したりします。
この記事では、介護現場で10年働いた経験から、次の内容を順番に解説します。
- 試用期間の法律上の位置づけ(辞められる?クビになる?)
- 「辞めていい」か「様子見か」を分ける判断基準5つ
- 求人票と条件が違う場合にできること
- 円満に辞める伝え方と具体的な手順
- 試用期間で辞めた後の転職活動の立て直し方
介護現場で10年勤務した介護福祉士・社会福祉士の有資格者。特別養護老人ホームやデイサービスで介護職から現場リーダーまで経験し、採用・面接にも携わってきました。現場と採用の両側の視点で解説します。
試用期間中に「辞めたい」と感じるのは珍しいことではない

まず前提として、試用期間中に「辞めたい」と感じること自体は、決して珍しいことではありません。
介護の仕事は、施設ごとの文化や介助のやり方、記録の書き方、人間関係の距離感がまったく違います。
同じ「特養」や「デイサービス」でも、職場が変われば別世界と感じるほどです。
特に入職直後は、仕事を覚えるストレスと人間関係を作るストレスが同時にかかるため、心身の負担がもっとも大きい時期です。
大切なのは、「辞めたい」という感情を否定することでも、勢いで退職届を出すことでもありません。
つらさの正体を特定して、「時間が解決するもの」か「その職場にいる限り解決しないもの」かを見極めることです。
まず確認:試用期間の法律上の位置づけ

「試用期間」という言葉から、お試し期間だからすぐ辞められる(すぐクビになる)と思われがちですが、法律上の位置づけは少し違います。
試用期間中でも、労働契約はすでに成立しています。正式採用前の「仮の状態」ではなく、れっきとした労働者です。
期間の定めのない雇用契約であれば、民法上、退職の申し出から2週間が経過すれば雇用契約は終了します(民法627条1項)。会社の承諾がなくても退職自体は可能です。
試用期間中だからといって自由に解雇できるわけではなく、客観的に合理的な理由が必要とされています。「試用期間=いつでもクビにできる期間」ではありません。
つまり、試用期間中の退職は労働者に認められた正当な権利です。
「試用期間中に辞めたら損害賠償」などと言われるケースもありますが、通常の退職で労働者が賠償責任を負うことは基本的にありません。
ただし、就業規則で「退職は1か月前までに申し出ること」と定められている場合は、可能な範囲で就業規則に沿って調整するほうが円満です。
法律上の最低ライン(2週間)と、円満さのバランスを取るのが現実的な落としどころになります。
「辞めたい」の原因を3タイプに分ける

判断基準の前に、いま感じている「辞めたい」の正体を特定しましょう。
試用期間中の「辞めたい」は、大きく3つのタイプに分かれます。
仕事を覚えられない、体力的にきつい、緊張が続く…など。入職直後は誰にでも起こるもので、1〜2か月で軽くなることが多いタイプです。
施設の介護方針が合わない、想像していた仕事内容と違う、利用者層が想定と違う…など。「合う・合わない」の問題で、時間では解決しにくいタイプです。
求人票と労働条件が違う、教育体制がなく放置される、慢性的な人員不足、ハラスメントがある…など。あなたの努力では変えられないタイプです。
ポイントは、タイプ1は時間が味方になるが、タイプ2と3は時間が経っても解決しにくいということです。
辞めていい?様子見?判断基準5つ

ここからが本題です。次の5つの基準に当てはめて、「辞めていい辞めたい」かどうかを判断してください。
給与、夜勤回数、休日数、配属先などが聞いていた話と明確に違う場合は、我慢する理由がありません。次の章で解説するとおり、法律上も強く保護されるケースです。
教育なしでの夜勤・入浴介助の一人対応など、利用者とあなた双方の安全に関わる運用がある場合は、事故が起きる前に離れるべきサインです。
眠れない、食欲がない、出勤前に涙が出る…といった症状が出ているなら、心身が限界のサインです。仕事より健康の回復を優先してください。
特定の先輩1人がきつい場合は、配置換えや時間で解決する可能性があります。職場全体の雰囲気が原因なら、解決は難しくなります。
「仕事に慣れた3か月後の自分」を想像してみて、それでも働き続けたくないと感じるなら、ミスマッチの可能性が高いです。
目安として、基準1〜3のどれかに当てはまるなら、試用期間中でも辞めていいケースです。
基準4〜5だけなら、もう1か月だけ様子を見て、それでも変わらなければ動く、という段階的な判断がおすすめです。
求人票と労働条件が違う場合は、すぐに契約解除できる

5つの基準の中でも、特に多くて、特に強く保護されているのが「求人票との条件相違」です。
労働基準法15条では、雇い入れの際に労働条件を明示することが義務付けられており、明示された労働条件が事実と違う場合、労働者は即時に労働契約を解除できると定められています(労働基準法15条2項)。
つまりこのケースでは、2週間を待たずに辞めることが法律上認められています。
介護業界でよくある条件相違には、次のようなものがあります。
・「夜勤は月4回程度」と聞いていたのに、実際は月7〜8回入っている
・「配属はデイサービス」の約束が、入職したら特養に配属された
・「処遇改善手当込みで月給◯万円」のはずが、明細を見ると聞いていた額より大幅に低い
・「残業ほぼなし」なのに、記録業務が終わらずサービス残業が常態化している
対処の手順としては、まず労働条件通知書(雇用契約書)と現実の差を、シフト表や給与明細で記録します。
そのうえで施設側に事実確認を求め、改善されない・説明が不誠実であれば、退職を決断して問題ありません。
円満に辞める伝え方と手順4ステップ

辞めると決めたら、あとは「もめずに・早く・きれいに」終わらせることに集中しましょう。
「ご相談したいことがあるので、お時間をいただけますか」と口頭またはメモで伝えます。いきなり退職届を出すより、話し合いの形を踏むほうが円満です。
「◯月◯日付で退職させていただきたく、ご相談に参りました」と結論から伝えます。理由は「一身上の都合」で構いませんが、条件相違が理由なら事実ベースで簡潔に伝えてOKです。
口頭合意だけだと「聞いていない」となりがちです。退職届を提出し、コピーを手元に残しておくと安心です。
試用期間中でも、担当していた利用者さんの注意点(食事形態・移乗方法・NGワードなど)を簡単にメモで残すと、最後の印象が大きく変わります。
引き止めにあった場合も、「検討します」と持ち帰る必要はありません。
「大変ありがたいのですが、決意は変わりません」と感謝+結論のセットで繰り返すのが、いちばん角が立たない断り方です。
なお、体調を崩していて出勤自体が難しい場合は、電話で伝えることも現実的な選択肢です。
理想は対面ですが、健康より優先されるマナーはありません。
試用期間で辞めた後の転職活動の立て直し方

試用期間で辞めた後、いちばん不安になるのが「次の転職で不利になるのでは?」という点だと思います。
結論として、短期離職が1回あるだけで転職できなくなることはありません。
介護業界は今も人材の需要が高く、短期離職の理由をきちんと説明できれば、採用の門は十分に開いています。
ポイントは面接での伝え方です。
・前職の悪口を言わず、事実(条件相違・教育体制など)を淡々と伝える
・「次は同じ失敗をしないために、事前の情報収集を徹底している」と行動で示す
・介護の仕事自体への意欲は変わっていないことを伝える
この3点セットで話せれば、短期離職はむしろ「職場を見る目が鋭くなった経験」としてプラスに変換できます。
また、退職から次の入職まで間を空けたくない場合は、在職中(試用期間中)から並行して情報収集を始めておくのが現実的です。
次の職場で同じ失敗をしないための情報収集

試用期間のミスマッチで辞めた人が、次の転職でやるべきことはひとつです。
それは、入職前に「求人票に書いていない内部情報」をどれだけ集められるかに尽きます。
人間関係、実際の夜勤回数、残業の実態、教育体制、離職率…。
今回つらかった原因のほとんどは、求人票には書かれていなかったはずです。
自力でできる情報収集としては、施設見学で職員の表情や声かけの様子を見る、口コミサイトを確認する、面接で具体的な数字を質問する、といった方法があります。
そのうえで、施設の内部事情に詳しい転職エージェントを併用すると、情報の精度が一気に上がります。
たとえばレバウェル介護(旧きらケア)のような介護特化エージェントは、実際に働いた人の声や施設側とのやり取りの蓄積から、人間関係・離職率・残業の実態といった内部情報を教えてもらえるのが強みです。
「試用期間中だけど、次を探し始めたい」という相談段階でも無料で使えるので、同じ失敗を繰り返したくない人ほど、早めに情報収集の窓口を持っておくと安心です。
よくある質問

試用期間中でも即日で辞められますか?
原則は退職の申し出から2週間で契約終了となります(民法627条1項)。ただし、明示された労働条件と事実が違う場合は即時に契約を解除できます(労働基準法15条2項)。また、会社と合意できれば2週間を待たずに退職日を設定することも可能です。
試用期間で辞めた職場は履歴書に書かなくてもいいですか?
雇用保険や社会保険に加入していた場合は加入記録が残るため、原則として記載しておくほうが安全です。面接では前職批判ではなく、事実と再発防止の行動をセットで説明すれば大きな不利にはなりません。
退職を電話で伝えるのは非常識ですか?
理想は対面ですが、体調を崩している場合など、出勤が難しいときに電話で伝えること自体は認められます。健康を犠牲にしてまで対面にこだわる必要はありません。伝えた内容は日付とともにメモに残しておきましょう。
試用期間で辞めたら失業保険はもらえますか?
基本手当(いわゆる失業保険)は、原則として離職前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上(倒産・解雇等の場合は1年間に6か月以上)必要です。試用期間のみの短期間では要件を満たさないことが多いですが、前職までの加入期間と通算できる場合があるため、ハローワークで確認してください。
まとめ:試用期間の「辞めたい」は、基準で判断すれば怖くない

試用期間中の退職は、法律上認められた正当な選択肢です。
「条件相違」「安全が守られない」「心身の症状」のどれかに当てはまるなら、辞めていいケースです。
慣れの問題であれば、1〜2か月の様子見で景色が変わることも多くあります。
辞めると決めたら、結論から伝えて書面に残し、もめずに早く終わらせましょう。
そして次の職場選びでは、求人票に書いていない内部情報を集めることが、同じ失敗をしない唯一の方法です。
内部情報の収集は自力では限界があるので、介護特化のエージェントを情報源として使い倒してください。