



- 自分にケアマネ受験資格があるのか確認したい
- 実務経験「5年900日」の正確な数え方を知りたい
- 受験申込で必要な書類と都道府県別の手続きを確認したい
介護現場で10年勤務した介護福祉士・社会福祉士の有資格者。
本記事は10年の現場経験と取得時の学習経験を踏まえて執筆しています。
この記事でわかること
- ケアマネ受験資格の2018年改正後ルール(国家資格ルート+相談援助ルート)
- 「実務経験5年900日以上」の正確な計算方法と落とし穴
- 受験資格証明に必要な書類と都道府県別の申込手順
- 10年介護現場経験者が見た「実務経験で間違いやすい5パターン」
- 受験資格を満たした次に何をすべきか(勉強法・通信講座への接続)
ケアマネ受験資格の全体像(2018年改正後ルール)
ケアマネジャー(介護支援専門員)の受験資格は、2018年(平成30年)の改正で大幅に厳格化されました。
改正前は介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)でも実務経験10年で受験可能でしたが、現在はヘルパー2級・介護職員初任者研修・実務者研修だけでは受験できません。
旧制度:介護職員でも実務経験10年で受験可能
新制度:「特定国家資格+実務経験5年900日以上」または「相談援助業務5年900日以上」のいずれか必須
現行制度の受験資格ルートは大きく分けて2つです。
- ルート①:国家資格保有者ルート — 介護福祉士・社会福祉士・看護師など21種の国家資格保有者が、該当業務で5年以上かつ900日以上従事した場合
- ルート②:相談援助業務ルート — 生活相談員・支援相談員・相談支援専門員・主任相談支援員として5年以上かつ900日以上従事した場合
多くの介護職員が誤解しているのは、「介護福祉士の資格を取った時点ではなく、介護福祉士登録後の実務経験のみカウントされる」という点です。
ルート①:国家資格保有者ルートの全21資格
国家資格ルートで受験資格が認められるのは、以下の21資格です。
| 分野 | 対象国家資格 |
|---|---|
| 福祉系 | 介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士 |
| 医療系 | 医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師 |
| リハビリ系 | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士・義肢装具士 |
| その他 | 栄養士(管理栄養士含む)・歯科衛生士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師 |
これらの資格を保有し、当該資格に基づく業務に5年以上かつ900日以上従事していることが条件です。
国家資格保有者ルートの注意点
特に多くの方が誤解する重要ポイントが3つあります。
- 資格取得後の実務経験のみカウント:介護福祉士登録前の介護職員時代の経験は含まれない
- 当該資格に基づく業務に限る:介護福祉士なら介護業務、看護師なら看護業務での経験が必要
- ヘルパー2級・初任者研修・実務者研修は対象外:これらの研修修了は国家資格ではないため、いくら実務経験があっても国家資格ルートでは受験不可
ルート②:相談援助業務ルートの対象職種
国家資格を持っていなくても、以下の相談援助業務に従事した期間があれば受験資格を得られます。
| 職種 | 該当する施設・事業所 |
|---|---|
| 生活相談員 | 特養・デイサービス・短期入所生活介護等 |
| 支援相談員 | 介護老人保健施設(老健) |
| 相談支援専門員 | 障害者総合支援法に基づく相談支援事業所 |
| 主任相談支援員 | 生活困窮者自立支援法に基づく自立相談支援機関 |
相談援助業務ルートでも、5年以上かつ900日以上の従事が必要です。
注意点として、「無資格で生活相談員になっている場合」は自治体によって相談援助業務として認められないケースがあるので、必ず勤務先と都道府県の試験実施機関に確認が必要です。
実務経験「5年以上900日以上」の正確な計算方法
ケアマネ受験資格で最も間違いやすいのが、この「5年以上900日以上」の計算です。
「5年経過」だけでは不足。
実際の従事日数も900日以上が必要。
逆に「900日に達した」だけでも不足。
在籍期間が5年以上経過していることも必要。
「5年以上」のカウント方法
「5年以上」とは暦上の在籍期間を指します。
例:2020年4月1日に入職した場合、2025年4月1日時点で「5年経過」となります。
短時間勤務でも、雇用契約上で在籍していれば期間としてはカウントされます。
「900日以上」のカウント方法
「900日以上」とは実際に勤務した日数を指します。
1日の勤務時間が短くても(例:4時間勤務でも)、出勤した日は1日とカウントされます。
ただし、有給休暇・育児休業・介護休業・病気休業などで勤務しなかった日はカウントされません。
週5日勤務(年間出勤約240日)の場合:900日÷240日=約3.75年で900日に到達。
ただし「5年以上」要件もあるため、結局5年待つ必要がある。
週3日勤務(年間出勤約144日)の場合:900日÷144日=約6.25年で900日に到達。
週3日パートだと5年では足りないので注意。
複数の事業所での通算
同じ国家資格・同じ職種であれば、複数の事業所での実務経験を合算できます。
たとえば介護福祉士として特養3年(720日)+老健2年(480日)であれば、合計5年1,200日となり受験資格を満たします。
ただし、事業所が変わるごとに各事業所から実務経験証明書を取得する必要があります。
受験資格の証明方法と必要書類
受験申込時には、以下の書類で実務経験を証明する必要があります。
国家資格保有者ルートの必要書類
- 国家資格の登録証(写し):介護福祉士登録証・看護師免許証など
- 実務経験(見込)証明書:勤務先の事業所長が証明し押印した書類
- 受験申込書:都道府県指定の様式
- 受験手数料:都道府県により7,000円〜9,000円程度
相談援助業務ルートの必要書類
- 実務経験(見込)証明書:相談援助業務従事を証明する書類
- 業務内容詳細票:具体的な相談援助業務の内容を記載
- 受験申込書・受験手数料:上記同様
実務経験証明書の取得には、勤務先の事業所長または法人代表者の証明印が必須です。
退職した事業所の場合でも、当時の勤務記録に基づいて証明書を発行してもらう必要があります。
退職時に喧嘩別れしてしまった場合などは証明書取得に難航することがあるので、在職中に「将来ケアマネを受験するので証明書を発行する可能性がある」と話を通しておくのが現場の知恵です。
受験申込手順と都道府県別の注意点
ケアマネ試験は都道府県ごとに実施されており、受験申込先・試験日・手数料が都道府県により若干異なります。
申込のステップ
- STEP1:勤務先所在地の都道府県の試験実施機関(社会福祉協議会・福祉人材センター等)を確認
- STEP2:受験案内・受験申込書を取り寄せ(4月〜5月頃配布開始)
- STEP3:勤務先で実務経験証明書を作成してもらう(取得には2-4週間かかる場合あり)
- STEP4:必要書類一式を揃え、受験手数料を振込
- STEP5:受験申込書を6月〜7月頃に郵送提出(締切厳守)
- STEP6:9月頃に受験票が届く
- STEP7:10月の第2日曜日に試験実施
都道府県をまたぐ場合の申込先
受験申込は「現在の勤務先所在地」の都道府県に行います。
過去に他県で勤務していた経験を含めて申込む場合でも、申込先は現在の勤務先がある都道府県です。
退職後に申込む場合は住民票がある都道府県に申込みます。
都道府県によっては消印有効ではなく「必着」の場合あり。
締切ギリギリの郵送は受験できないリスク。
少なくとも締切1週間前には郵送完了を強く推奨。
10年介護現場経験者が見た「実務経験で間違いやすい5パターン」
実際の現場で見てきた、受験資格判定でつまずきやすいパターンをまとめます。
パターン①:介護福祉士登録前の介護職員時代を含めてしまう
「介護現場10年だから余裕で受験資格ある」と思っていたら、介護福祉士登録は5年前で、登録前の5年は対象外だったケース。
登録後5年900日に達しているか必ず確認しましょう。
パターン②:実務者研修・ヘルパー2級で申込もうとする
上記研修は国家資格ではないため、どれだけ実務経験があっても受験資格にならない。
まずは介護福祉士の国家試験合格→登録を経てから実務経験5年900日のカウントが始まります。
パターン③:パート・週3日勤務で5年の在籍で安心してしまう
週3日勤務だと年間出勤が約144日なので、5年経過しても900日に到達していないケースが多発。
在籍年数だけでなく出勤日数も計算しましょう。
パターン④:派遣・委託の期間を含めてしまう
派遣社員・業務委託契約での勤務は、派遣元または委託先の証明が必要になり、認められない場合があります。
正規雇用・直接雇用での勤務期間が確実です。
パターン⑤:相談援助業務として無資格生活相談員時代を含めてしまう
生活相談員の任用資格は社会福祉主事任用資格などが必要で、無資格で「生活相談員」として勤務していた場合は相談援助業務として認められないケースがあります。
自治体・都道府県によって判断が異なるので、必ず試験実施機関に確認しましょう。
受験資格を満たした次に何をすべきか
受験資格を満たしていることが確認できたら、次は本格的な試験対策に入ります。
STEP1:勉強計画を立てる(10月試験から逆算)
ケアマネ試験は毎年10月の第2日曜日に実施されます。
合格に必要な学習時間は200-300時間とされており、4月から本格学習を始めれば1日1.5時間×6ヶ月で十分間に合います。
STEP2:独学か通信講座かを決める
働きながら受験する方は、通信講座を利用したほうが効率が圧倒的に高いです。
独学は教材選びと学習計画策定に時間を取られ、結果的に学習時間が圧迫されます。
STEP3:教材・通信講座を選ぶ
ケアマネの通信講座はユーキャン・三幸福祉カレッジ・大原など各社が提供しており、それぞれ特徴があります。
ケアマネ受験資格に関するよくある質問
Q1. ヘルパー2級・初任者研修・実務者研修だけで受験できますか?
できません。
これらの研修は国家資格ではないため、どれだけ実務経験があっても受験資格は得られません。
まず介護福祉士の国家試験に合格してから、登録後5年900日の実務経験を積む必要があります。
Q2. 介護福祉士になってまだ3年ですが受験できますか?
できません。
介護福祉士登録後の実務経験が5年以上かつ900日以上必要です。
登録3年では5年要件を満たさないため、受験資格はありません。
Q3. 看護師ですが介護現場での実務は受験資格になりますか?
看護業務として勤務していた期間であれば対象になります。
介護施設で看護師として勤務していた場合、「看護業務」として5年900日従事した実績があれば受験資格を満たします。
ただし「介護職員」として勤務していた期間は看護業務に該当しないので注意が必要です。
Q4. 受験資格があるか不安な場合はどこに確認すべき?
受験予定の都道府県の試験実施機関(社会福祉協議会・福祉人材センター等)に直接電話で確認するのが確実です。
実務経験証明書の様式や記載方法も併せて確認できます。
Q5. 出産・育児休業中の期間はカウントされますか?
在籍期間(5年要件)にはカウントされますが、実務日数(900日要件)にはカウントされません。
育児休業中の期間はそのまま実務経験にプラスされないので、復職後に追加で勤務日数を積む必要があります。
10年介護現場経験者から見た「ケアマネ受験を目指すベストタイミング」
ここでは、介護現場で10年勤務した立場から、ケアマネ受験を目指す現場介護職員にとってのベストタイミングをお伝えします。
① 介護福祉士登録から最低5年は計画的に
介護福祉士に合格して登録した時点から、「いつ900日に到達するか」をエクセル等で記録しておくことを強く推奨します。
パート・週3日勤務の方は、登録から5年経過しても900日に到達していないケースが多発します。
逆に常勤で週5日勤務の方は、3.75年で900日に達するため5年要件を満たした瞬間に申込めるよう準備を進めましょう。
② 受験資格取得後すぐの受験が圧倒的に有利
ケアマネ試験の合格率は10-20%程度と低く、年々問題が複雑化しています。
受験資格を取得したら「翌年の受験」を最初の本命に設定し、その後は受験を先延ばしにせず継続することが合格の近道です。
現場では「いつかケアマネ取ろう」と言いながら何年も先延ばしにして、結局受験せずに退職する方を多く見てきました。
受験資格を満たしたら早めの受験を推奨します。
③ 在職中の受験申込が手続き上スムーズ
退職後に受験申込する場合、退職した事業所から実務経験証明書を取得する手間が発生します。
退職後に証明書を取得するのは、現職時代より時間と労力がかかります。
キャリアチェンジを考えている方も、「在職中にケアマネ受験申込→合格後に転職」の順序がもっとも手続きがスムーズです。
④ 主任ケアマネ・特定事業所加算を見据えた早期取得
ケアマネ取得後、さらに主任ケアマネ研修を受講するには「ケアマネ実務経験5年以上」が必要です。
つまりケアマネ取得が遅れると、主任ケアマネ取得も遅れるためキャリア全体が後ろ倒しになります。
30代・40代で介護福祉士として働いている方は、ケアマネ受験資格を満たした時点で「迷わず即受験」がキャリア戦略上もっとも合理的です。
まとめ:受験資格を確認したら早めに学習スタート
ケアマネ受験資格のポイントを整理すると以下のとおりです。
- 国家資格保有者ルート:21資格保有+当該業務5年以上900日以上
- 相談援助業務ルート:生活相談員等の相談援助業務5年以上900日以上
- ヘルパー2級・初任者研修・実務者研修だけでは受験不可
- 実務経験証明書は勤務先に依頼が必要(取得に2-4週間)
- 申込締切は「必着」の都道府県もあるので余裕を持った提出を
受験資格が確認できたら、次は本格的な学習スタートです。
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介護福祉士・社会福祉士の有資格者。
介護現場10年の実務経験を持ち、医療・介護資格情報を発信中。

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