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職場の合理的配慮と就労を支える機関|申し出の仕方・事例・過重な負担・ナカポツ・ジョブコーチ・地域障害者職業センター・トライアル雇用(障害者雇用促進法)

職場の合理的配慮と就労を支える機関 障害福祉サービス・就労支援

📋 職場の合理的配慮と支援機関【早見】

  • 合理的配慮は障害者雇用促進法36条の2〜36条の4で全ての事業主に義務づけられた措置(2016年4月施行)。手帳の有無を問わず、募集・採用時は本人の申し出、採用後は会社からの確認で始まり、話し合いで内容を決める
  • 会社は「過重な負担」のときだけ断れるが、その場合も理由を説明し、負担にならない範囲の措置を取る。相談窓口の整備と不利益取扱いの禁止も義務
  • 事例は指針の別表に障害別で例示(試験時間の延長、筆談面接、支援機関の同席、業務量の調整、通院に合わせた勤務時間、手順書、静かな作業場所など)
  • 就職と定着を支える機関=ハローワーク障害者窓口、地域障害者職業センター(47都道府県)、障害者就業・生活支援センター(全国340か所)、ジョブコーチ(1〜8か月・無料)、就労移行支援・就労定着支援
  • 合格を確かめてから本採用に進むトライアル雇用は原則3か月(精神障害者は最大12か月、週10〜20時間の短時間コースあり)

出典:障害者雇用促進法34条〜36条の5・74条の4〜74条の6(e-Gov法令検索)、厚生労働省「合理的配慮指針」(平成27年厚生労働省告示第117号)「障害者差別禁止指針」、厚生労働省・高齢・障害・求職者雇用支援機構の支援機関資料、「トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)」案内(2026年10月9日確認)

相談者

相談者

精神障害者保健福祉手帳で障害者雇用枠に内定しました。通院のための早退や、指示を文書でもらうことをお願いしたいのですが、どう伝えればよいですか?

有資格者

有資格者

それが「合理的配慮」の申し出です。法律で会社は申し出に応じて話し合い、過重な負担でない限り措置を取る義務があります。通院の曜日と頻度、指示の出し方など、具体的な行動の形で整理して伝えると決まりやすく、支援機関の職員に同席してもらうこともできます。法律の仕組み、事例、支援機関の使い方を順に説明しますね。

  • 合理的配慮とは何で、どこまで頼めるのか、断られたらどうなるのかを知りたい
  • ナカポツ・ジョブコーチ・職業センターなど支援機関の違いと、どこに相談すればよいか分からない
  • トライアル雇用や就労定着支援を使って、長く働き続けるための段取りを知りたい
✍️ この記事を書いた人
障害福祉の現場(重度訪問介護)で10年勤務した介護福祉士・社会福祉士の有資格者(元職員)。
本記事は、障害者雇用促進法の条文と厚生労働省の指針・支援機関の資料を確認して執筆しています。

この記事でわかること

  • 合理的配慮の法律上の仕組み(申し出・話し合い・過重な負担・相談窓口)
  • 指針別表の事例を、募集時・業務・勤務時間・環境に分けて整理
  • 申し出の仕方と、断られたときの労働局の援助・調停
  • 支援機関の役割の違い(ハローワーク・職業センター・ナカポツ・ジョブコーチ・就労移行・就労定着支援)
  • トライアル雇用の期間と使い方
  • 配慮を整理するひな形と、つまずきやすい点
合理的配慮が決まるまでの流れ(申し出→話し合い→措置の決定→実施・見直し→相談窓口)
図1 合理的配慮が決まるまでの流れ(合理的配慮指針をもとに作成)

合理的配慮とは:法律が会社に義務づけた「話し合って決める措置」

相談者

相談者

合理的配慮は「お願い」ではなく「権利」ですか?

有資格者

有資格者

法律上は会社の義務です。障害者雇用促進法36条の2(募集・採用)と36条の3(採用後)は、障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならないと定め、例外は過重な負担のときだけです。本人の意向を十分に尊重すること(36条の4)も義務なので、会社が一方的に決めることはできません。

条文 内容
34条・35条(差別の禁止) 募集・採用で障害者でない人と均等な機会を与える。賃金・教育訓練・福利厚生などで障害を理由に不当な差別的取扱いをしない
36条の2(募集・採用時の配慮) 障害者からの申し出により、障害の特性に配慮した必要な措置を講じる。過重な負担のときは除く
36条の3(採用後の配慮) 均等な待遇の確保や能力の発揮の支障になっている事情を改善するため、施設の整備・援助者の配置その他の必要な措置を講じる。過重な負担のときは除く
36条の4(意向の尊重・相談体制) 措置を講じるときは障害者の意向を十分に尊重する。相談に応じる体制の整備など雇用管理上の措置を講じる
74条の4〜74条の6(紛争解決) 苦情は社内の苦情処理機関で自主的に解決。都道府県労働局長の助言・指導・勧告と、紛争調整委員会の調停が使える。援助を求めたことを理由とする不利益取扱いは禁止

対象となる「障害者」は、身体・知的・精神(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害で、長期にわたり職業生活に相当の制限を受ける人です。

障害者手帳を持っていなくても対象で、障害者雇用枠で働く人だけでなく、一般枠で働く人も申し出られます。

2016年4月に施行され、民間企業の規模を問わず全ての事業主が対象です。障害者差別解消法が2024年4月から民間事業者に義務づけた合理的配慮は「サービスの提供」の場面で、雇用の場面はこの障害者雇用促進法が担います。

手続きの流れ(合理的配慮指針)

場面 流れ
募集・採用時 障害者から会社へ、支障になっている事情と希望する配慮を申し出る。会社は話し合い、措置の内容と理由を説明する
採用後 会社から障害者へ、職場で支障になっている事情の有無を確認する。障害者からも申し出られる
内容の決定 障害者と会社が話し合って決める。指針の別表にない措置でも合理的配慮に当たる
過重な負担のとき 会社は過重な負担に当たることとその理由を説明し、負担にならない範囲の措置を講じる
相談体制 会社は相談窓口を整え、プライバシーを保護し、相談を理由とする不利益取扱いをしないことを周知する

過重な負担かどうかは、事業活動への影響、実現の困難度、費用・負担の程度、企業の規模、財務状況、公的支援の有無で判断されます。

「前例がない」「他の社員との公平」だけでは過重な負担の理由にならず、理由の説明がないまま断ることは指針に反します。

合理的配慮の事例:募集時・業務・勤務時間・環境

職場の合理的配慮の事例(募集・採用時、業務の調整、勤務時間・通院、設備・環境)
図2 合理的配慮の事例(合理的配慮指針の別表をもとに整理)
障害 募集・採用時の例 採用後の例
視覚障害 募集内容を音声等で提供、試験を点字・音声で実施、試験時間の延長 拡大文字・音声ソフトの活用、業務指導や相談の担当者を決める、通院・体調に合わせた出退勤・休暇・休憩
聴覚・言語障害 面接を筆談等で行う 業務指示・連絡を筆談やメール等で行う、危険を知らせる方法の工夫
肢体不自由 面接会場をバリアフリーの場所にする スロープ・手すりの設置、机や椅子の高さの調整、移動の少ない業務配置
内部障害 体調に合わせた面接日程 通院のための休暇・短時間勤務、負担の少ない業務への配置
知的障害 面接に就労支援機関の職員の同席を求める 本人の習熟度に合わせた業務量、図や写真を使った手順書、業務指導の担当者を決める
精神障害・発達障害 面接に支援機関の職員が同席、面接時間の調整 出退勤・休暇・休憩を通院や体調に配慮、指示を一つずつ明確に、静かな場所や感覚過敏への配慮、休憩の取り方の工夫、業務量の調整

指針は「事例はあくまで例示で、あらゆる事業主が必ず実施するものではない」と注記しています。

一方で、別表にない措置でも配慮に当たるので、自分の特性に合わせて「こうしてもらえればできる」という形で提案するのが実務の基本です。

厚生労働省は「合理的配慮指針事例集」と「障害者への合理的配慮好事例集」を公表しており、企業の実例を障害別に読めます。

よくある配慮の組み合わせ(精神障害・発達障害)

困りごと 配慮の例
口頭の指示を覚えられない 指示は文書やチャットでも出す。優先順位と期限を明示
複数の仕事を同時に頼まれると混乱する 業務指導の担当者を1人に決める。一度に頼む仕事を1つにする
通院で月2回休む 通院日を固定し、半日単位の休暇や時間休を認める
周囲の音や光がつらい 席の位置を変える、耳栓やサングラスの使用を認める、静かな作業スペース
体調に波がある 体調報告の方法を決める。短時間勤務から始めて段階的に延ばす
評価面談が不安 支援機関の職員の同席、面談内容の事前共有

申し出の仕方と、断られたときの対処

相談者

相談者

配慮を頼むと採用で不利になりませんか?

有資格者

有資格者

募集・採用時の申し出に応じることは会社の義務で、申し出を理由に不利に扱うことは差別の禁止(34条)に反します。ただし配慮の内容が多すぎたり曖昧だと、会社は判断できません。優先順位を付けて具体的に伝え、支援機関と一緒に整理すると通りやすくなります。

順番 内容
1 整理する できる業務・条件付きでできる業務・難しい業務を分ける。必要な配慮を行動の形で書く(例:指示は文書でも)
2 伝える 面接や内定後の面談で申し出る。手帳の等級や診断名より、職場での支障と配慮の中身を中心に
3 話し合う 会社の提案も聞き、折り合える形を探す。支援機関の職員の同席を頼める
4 記録する 決まった配慮・理由・見直し時期を文書やメールで残す
5 見直す 業務や体調が変われば再度申し出る。採用後は会社からの確認も義務

会社に相談窓口がある場合はそこへ、無い場合は上司や人事に申し出ます。

断られたり話し合いが進まないときは、都道府県労働局(雇用環境・均等部)に相談すると、助言・指導・勧告や、紛争調整委員会による調停が受けられます。

援助を求めたことを理由とする解雇や不利益な取扱いは法律で禁止されています(74条の6第2項)。

障害者雇用枠と一般枠(クローズ就労)のどちらで働くかの考え方は障害者雇用枠で働くには、手帳の取り方は障害者手帳の3種類と申請方法・メリットで説明しています。

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atGP(アットジーピー)は、ゼネラルパートナーズが運営する障害者向けの転職サービスです。障害者雇用枠の求人検索と、キャリアアドバイザーによる紹介の両方があり、精神障害・発達障害の人の利用が多いのが特徴です。

登録は無料です。手帳の等級や通院の頻度、希望する配慮を登録時に伝えると、それに合う求人が紹介されます。まず求人の内容を見て、自分の体調で続けられる条件があるかを確かめてください。

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※サービス内容は2026年10月8日に公式サイトで確認。最新の内容は公式サイトでご確認ください。

就職と定着を支える機関:どこに何を頼めるか

相談者

相談者

ナカポツとジョブコーチと職業センターは何が違うのですか?

有資格者

有資格者

職業センターは都道府県に1か所ずつある専門機関で、職業評価や職業準備支援、ジョブコーチの派遣を行います。ナカポツ(障害者就業・生活支援センター)は全国340か所あり、就職と生活の両方を長く相談できる身近な窓口です。ジョブコーチは職場に来て本人と会社の両方を支援する人で、期間は1〜8か月です。

働く障害者を支える主な機関(ハローワーク・地域障害者職業センター・就労移行支援・障害者就業・生活支援センター・ジョブコーチ・就労定着支援・労働局)
図3 働く障害者を支える主な機関
機関 役割 使う場面
ハローワーク(障害者専門窓口) 求人紹介、障害者向け合同面接会、トライアル雇用の手続き、企業への助言 求職活動の起点。手帳がなくても相談できる
地域障害者職業センター(JEED・47都道府県) 職業評価と職業リハビリテーション計画、職業準備支援、ジョブコーチ支援、休職者のリワーク支援(3〜4か月) 自分に合う仕事や配慮を客観的に整理したいとき
障害者就業・生活支援センター(ナカポツ・全国340か所) 就業面(相談・準備訓練・実習のあっせん・定着支援)と生活面(健康・金銭管理・住まい)の一体的支援。生活支援担当1名・就業支援担当2〜7名 就職前から就職後まで長く相談したいとき
ジョブコーチ(職場適応援助者) 職場に出向いて本人には作業や人間関係の支援、会社には指導方法や配慮の助言。配置型(職業センター)・訪問型(福祉法人等)・企業在籍型。1〜8か月、標準2〜4か月、無料 入社直後や配置転換で職場に慣れたいとき。申込みは会社と本人の合意で職業センターへ
就労移行支援事業所 訓練・職場実習・就職活動・就職後6か月の定着支援。標準2年 働く準備から始めたいとき
就労定着支援(障害福祉サービス) 就職後6か月を過ぎてから最長3年、生活面と職場の課題を調整 就労移行支援などを経て就職した後
都道府県労働局 合理的配慮をめぐる紛争の助言・指導・勧告、調停 会社との話し合いがまとまらないとき

複数の機関を同時に使えます。ナカポツに登録しておくと、職業センターやジョブコーチへの橋渡しもしてもらえるので、最初の相談先として使いやすい機関です。

就労移行支援の流れと費用は就労移行支援の利用の流れと費用、2025年10月に始まった就労選択支援、サービス全体は障害福祉サービスの種類一覧と使い方で説明しています。

ジョブコーチ支援の流れ

順番 内容
1 相談 本人・会社・支援機関のいずれかが地域障害者職業センターのカウンセラーに連絡
2 計画 カウンセラーが職場を訪問し、本人と会社の希望を聞いて支援計画(案)を作る
3 支援開始 本人と会社が同意して開始。週数回の訪問から始め、徐々に減らす
4 移行 職場の指導者(キーパーソン)に支援の方法を引き継ぐ
5 フォロー 終了後も必要に応じてナカポツや定着支援につなぐ

ジョブコーチは会社側の希望で始まることが多いので、本人から使いたいときは会社の人事に「ジョブコーチ支援を職業センターに相談したい」と伝えるか、ナカポツに間に入ってもらいます。

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💼 配慮の申し出や職場実習を訓練で練習するなら「ミラトレ」

ミラトレは、人材サービスのパーソルグループ(パーソルダイバース)が運営する就労移行支援です。東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・兵庫に事業所があります。

職場を再現した環境でのトレーニングと、キャリアアドバイザーによる就活講座・模擬面接が特徴です。公式サイトには年度つきの就職率・定着率が掲載されているので、見学のときに集計の仕方を聞いてみてください。

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※事業所の場所・内容は2026年10月7日に公式サイトで確認。最新の内容は公式サイトでご確認ください。

トライアル雇用:お互いに合うかを確かめてから本採用

コース 期間 対象
障害者トライアルコース 原則3か月(テレワークは3〜6か月)。精神障害者は原則6か月以上12か月以内(助成金の対象は最長6か月) ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で雇われる障害者
障害者短時間トライアルコース 3か月以上12か月以内。週10〜20時間から始めて20時間以上を目指す 精神障害者・発達障害者

トライアル期間中も雇用契約があり、賃金が支払われます。会社にはハローワークから助成金(月4万円、精神障害者は最初の3か月8万円)が出るため、受け入れる会社が増えています。

期間中にジョブコーチや合理的配慮の話し合いを進めておくと、本採用後の定着につながります。

特例子会社など配慮を前提にした職場の選択肢は特例子会社とはで説明しています。

配慮を整理するひな形と、つまずきやすい点

合理的配慮を申し出る前に整理することのリスト
図4 申し出る前に整理すること

配慮の整理シート(ひな形)

  • できる業務/時間をかければできる業務/難しい業務
  • 必要な配慮を行動の形で(指示は文書でも・席は壁側・通院は第2水曜の午後)
  • 通院の頻度と曜日、服薬の影響が出る時間帯
  • 配慮が無いと起きる支障と、あればできること
  • 同席を頼む支援機関(ナカポツ・ジョブコーチ・就労移行)
  • 会社の相談窓口と、話し合いの記録の残し方
つまずき 対処
配慮を言い出せずに体調を崩す 採用後は会社からの確認も義務。ナカポツに相談して同席を頼む
「前例がない」と断られた 理由の説明を求める。過重な負担の判断要素に当たらなければ労働局に相談
配慮が多すぎて現場が混乱 優先順位を3つに絞る。ジョブコーチに現場での調整を頼む
異動で配慮が引き継がれない 決めた配慮を文書で残し、異動時に人事から新しい上司へ共有してもらう
一般枠で働いていて申し出にくい 手帳の有無を問わず申し出は可能。診断書や支援機関の意見書で支障を説明できる
トライアル雇用の後に本採用されなかった ハローワークに経緯を伝え、次の求人へ。職業センターで配慮の整理をやり直す

よくある質問

合理的配慮は手帳がないと頼めませんか?

頼めます。障害者雇用促進法の対象は、心身の機能の障害で長期に職業生活に制限を受ける人で、手帳の有無は要件ではありません。

診断書や支援機関の意見書で、職場での支障を説明すると話し合いが進みやすいです。

会社はどこまで配慮しなければなりませんか?

過重な負担にならない範囲で、話し合って決めた措置を講じる義務があります。過重な負担かどうかは、事業への影響・実現の困難度・費用・企業規模・財務状況・公的支援の有無で判断されます。

断る場合は理由の説明が必要です。

配慮を求めたら不利に扱われました。どうすればよいですか?

申し出や援助の要求を理由とする不利益取扱いは法律で禁止されています。

都道府県労働局の雇用環境・均等部に相談すると、助言・指導・勧告や調停が受けられます。

ジョブコーチは自分で頼めますか?

本人からも相談できますが、支援は会社の同意が要ります。地域障害者職業センターのカウンセラーか、ナカポツに相談して会社との調整を頼んでください。

費用は無料で、期間は1〜8か月(標準2〜4か月)です。

ナカポツはどこにありますか?

障害者就業・生活支援センターは全国に340か所(2026年4月時点)あり、おおむね障害保健福祉圏域ごとに1か所です。

ハローワークや市区町村の障害福祉課で最寄りのセンターを教えてもらえます。

トライアル雇用の間の給料はどうなりますか?

雇用契約を結ぶので、最低賃金以上の賃金が支払われ、社会保険の要件も通常どおりです。

会社に助成金が出る制度で、本人が受け取るものではありません。

在宅勤務を配慮として頼めますか?

頼めます。通勤や職場環境が支障になっている場合、在宅勤務や勤務時間の調整は合理的配慮の候補です。

業務の性質で難しい場合は、会社から理由の説明と代わりの措置の提案を受けてください。

まとめ

  • 合理的配慮は障害者雇用促進法36条の2〜36条の4が全事業主に課す義務。手帳の有無を問わず、申し出→話し合い→措置の流れで決まり、断れるのは過重な負担のときだけ(理由の説明が要る)
  • 事例は指針別表に障害別で例示。試験時間の延長、筆談面接、支援機関の同席、業務量調整、通院に合わせた勤務、手順書、静かな環境など。別表にない措置も可
  • 申し出は「できる・条件付き・難しい」の整理と、行動の形の配慮で具体的に。記録を残し、業務や体調が変われば見直す
  • 支援機関はハローワーク・地域障害者職業センター・ナカポツ(340か所)・ジョブコーチ(1〜8か月・無料)・就労移行支援・就労定着支援・労働局。複数を同時に使える
  • トライアル雇用は原則3か月(精神障害者は最大12か月、短時間コースあり)。期間中に配慮とジョブコーチを整えると定着しやすい
  • 話し合いが進まないときは都道府県労働局の助言・調停。援助を求めたことによる不利益取扱いは禁止
👤 著者プロフィール
介護福祉士・社会福祉士の有資格者(元職員)。
障害福祉の現場(重度訪問介護)で10年の実務経験を持ち、医療・介護・福祉の資格と制度の情報を発信しています。

参考資料:障害者の雇用の促進等に関する法律34条・35条・36条の2〜36条の5・74条の4〜74条の6(e-Gov法令検索)/厚生労働省「合理的配慮指針」(平成27年厚生労働省告示第117号)「障害者差別禁止指針」「合理的配慮指針事例集」/厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」(令和8年4月1日現在340か所)/高齢・障害・求職者雇用支援機構「職場適応援助者(ジョブコーチ)支援」「地域障害者職業センター」案内/厚生労働省「トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)」(2026年10月9日確認)

障害福祉サービス・就労支援
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