📋 サービス管理責任者・児発管の要点【早見】
- サービス管理責任者(サビ管)は、生活介護・就労移行支援・就労継続支援・グループホームなどに必ず置く職種。個別支援計画を作り、支援全体を管理する
- なるには実務経験(相談支援5年/直接支援8年/国家資格があれば3年+3年)と研修(基礎研修26時間→OJT→実践研修14.5時間)の両方が必要
- OJTは原則2年だが、基礎研修の受講時に実務経験要件を満たし、個別支援計画の原案作成に携わる人は6か月でよい
- 実践研修の修了後は5年ごとに更新研修(13時間)。切れると配置できない
- 平均給与額は月405,480円(2024年9月・常勤・処遇改善加算の事業所)。福祉・介護職員の327,720円より約7.8万円高い
- 児童発達支援管理責任者(児発管)は障害児の事業所に置く同格の職種で、研修は共通。実務経験の数え方だけ違う
出典:厚生労働省告示第544号「サービス管理責任者として厚生労働大臣が定めるもの等」、厚生労働省「サービス管理責任者等研修制度について」「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」(2026年10月8日確認)
介護福祉士で、障害者のグループホームで5年働いています。「サビ管を目指してみないか」と言われましたが、何から始めればいいですか?
まず自分の職歴が「直接支援業務」で何年になるかを数えます。介護福祉士なら直接支援5年で実務経験の要件を満たすので、次は都道府県の基礎研修に申し込む段階です。研修の順番と年数の数え方を順に説明しますね。
- 実務経験が何年必要なのか、自分の資格と職歴でどう数えるのか分からない
- 基礎研修・OJT・実践研修・更新研修の順番と、受けられる時期が分からない
- サビ管と児発管の違い、給料がどのくらい上がるのかを知りたい
障害福祉の現場(重度訪問介護)で10年勤務した介護福祉士・社会福祉士の有資格者(元職員)。
本記事は、厚生労働省の告示・研修制度資料・処遇状況調査を確認して執筆しています。
この記事でわかること
- サービス管理責任者の仕事と配置される事業所
- 実務経験の要件(相談支援・直接支援・国家資格による年数の違い)
- 研修の流れ(基礎研修→OJT→実践研修→更新研修)と、OJTを6か月にできる条件
- 給料の実態(厚生労働省の処遇状況調査)
- 児童発達支援管理責任者との違いと、両方を目指す方法
- 研修の申込みから配置までのつまずきやすい点

サービス管理責任者とは:仕事と配置される事業所
サビ管は「管理者」とは違うのですか?
違います。管理者は事業所の運営責任者で、サビ管は利用者一人ひとりの支援内容を管理する職種です。小さな事業所では兼務もありますが、役割は別です。
サービス管理責任者は、障害者総合支援法の事業所に配置が義務づけられた職種です。
厚生労働省告示第544号では、療養介護・生活介護・施設入所支援・自立訓練・就労移行支援・就労継続支援・就労定着支援・自立生活援助・共同生活援助の提供に係る管理を行う者とされています。
| 仕事 | 内容 |
|---|---|
| アセスメント | 利用者と家族の面談、生活や希望の把握 |
| 個別支援計画の作成 | 本人の目標と支援内容を文書にし、本人・家族に説明して同意を得る |
| モニタリング | 計画どおりに支援が進んでいるかを定期的に確認し、見直す |
| 職員への指導 | 支援の方法や記録のつけ方を職員に助言する |
| 関係機関との連携 | 相談支援専門員、医療機関、学校、企業などと連絡を取る |
| 会議の運営 | 支援会議・サービス担当者会議の進行 |
事業所の規模に応じて、利用者60人に1人以上の配置が基本です。
サビ管がいない状態が続くと報酬が減算されるため、事業所にとって最も確保したい職種の一つになっています。
配置先のサービスの中身は障害福祉サービスの種類一覧と使い方で説明しています。
実務経験の要件:相談支援・直接支援・国家資格で年数が変わる
介護施設での経験も数えられますか? 障害分野ではなかったのですが。
数えられます。告示では老人福祉施設や介護老人保健施設の従業者も直接支援業務に含まれています。ただし、年数の数え方が「相談支援」と「直接支援」で違うので、職歴を分けて整理してください。
厚生労働省告示第544号は、サービス管理責任者の実務経験を次のように定めています。
| 区分 | 主な業務と職場 | 必要な年数 |
|---|---|---|
| 相談支援業務 | 相談支援事業所、児童相談所、福祉事務所、地域包括支援センター、障害者支援施設などで相談・助言・指導をする業務。居宅介護支援(ケアマネ)も含む | 通算5年以上 |
| 直接支援業務 | 障害者支援施設、老人福祉施設、介護老人保健施設、病院、特別支援学校などで介護・訓練・指導をする業務 | 通算8年以上 |
| 直接支援業務(有資格者) | 社会福祉主事任用資格、訪問介護員2級以上(初任者研修)、保育士、児童指導員任用資格、精神障害者社会復帰指導員などの資格を持って直接支援業務に従事 | 通算5年以上 |
| 国家資格による業務 | 医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士などの資格で、その資格が必要な業務に従事 | 3年以上(かつ相談支援か直接支援が3年以上) |
告示の原文では、相談支援業務の期間と有資格の直接支援業務の期間を合算して5年、無資格の直接支援業務は8年、国家資格による業務は「相談支援・直接支援が3年以上かつ国家資格業務が3年以上」という組み合わせです。
介護福祉士として障害者施設で5年働いた人は、「有資格者の直接支援5年」で要件を満たします。
社会福祉士や看護師の資格で働いた期間は国家資格業務になるので、資格を持ってからの3年と、それ以前の現場経験3年で合計6年あれば足ります。
実務経験の数え方で注意すること
年数の数え方
- 「業務に従事した期間」は在籍期間で数え、1年につき180日以上勤務していることが条件(都道府県の実務経験証明書の様式で確認)
- パートや非常勤の期間も、日数の条件を満たせば数えられる
- 複数の職場の期間は合算できる。職場ごとに実務経験証明書を取る
- 老人福祉施設や介護保険の事業所での経験は直接支援業務に含まれるが、障害児者の支援でない期間だけでは実践研修の要件(OJT)に数えられない場合がある
実務経験証明書は、過去に勤めた職場に発行を頼むことになります。
退職した職場が閉鎖している場合は、都道府県の障害福祉担当課に代わりの証明方法を確かめてください。
研修の流れ:基礎研修→OJT→実践研修→更新研修
基礎研修は実務経験を満たしてからでないと受けられませんか?
満たす2年前から受けられます。たとえば直接支援8年の要件なら、6年の時点で基礎研修に申し込めます。基礎研修を早めに受けておくと、要件を満たした時点でOJTに入れるので、配置までの期間を短くできます。
2019年度から研修体系が見直され、基礎研修・実践研修・更新研修の3段階になりました。
| 研修 | 時間 | 受講できる人 | 修了するとできること |
|---|---|---|---|
| 基礎研修 | 26時間(相談支援従事者初任者研修の講義部分15時間を含む) | 実務経験の要件を満たす2年前から | 個別支援計画の原案作成など一部の業務(サビ管がいる事業所で) |
| OJT(実務経験) | 原則2年以上。条件を満たせば6か月以上 | 基礎研修修了者 | — |
| 実践研修 | 14.5時間 | 基礎研修修了後、受講前5年間に2年以上の相談支援・直接支援の実務経験がある人 | サービス管理責任者として正式に配置 |
| 更新研修 | 13時間 | 受講前5年間に2年以上サビ管等・管理者・相談支援専門員の実務経験がある、または現にその職にある人 | 5年ごとに修了して配置を続ける |
研修は都道府県(または指定した団体)が実施し、年1〜2回の募集が一般的です。
定員があり、事業所からの推薦や配置予定の有無で優先順位がつく県が多いので、申込み時期を都道府県のサイトで確かめてください。
OJTを6か月にできる条件
厚生労働省の資料では、基礎研修修了後に実践研修を受けるためのOJTは原則2年以上ですが、次の人は6か月以上でよいとされています。
- 基礎研修の受講開始時点で、すでに実務経験の要件(相談支援業務または直接支援業務に3〜8年)を満たしている
- サービス管理責任者が配置されている事業所で、個別支援計画の原案の作成までの一連の業務に従事する
- または、やむを得ない事由でサビ管を欠いた事業所で、みなし配置されたサビ管として個別支援計画の作成に携わる
つまり「経験は十分あるが研修だけ受けていない人」は、基礎研修の翌年には実践研修を受けられます。
一方、経験年数が足りない段階で基礎研修を受けた人は、要件を満たしてから2年のOJTが必要です。
更新研修を忘れると配置できなくなる
実践研修を修了した日から5年ごとに更新研修を修了しないと、サービス管理責任者として配置できなくなります。
更新研修の受講には、受講前5年間に2年以上のサビ管等の実務経験があるか、現にその職にあることが必要です。
転職や休職で5年の間にサビ管の経験が2年に届かない人は、更新研修の要件を満たせないことがあるので、都道府県に早めに相談してください。

給料はいくらか:処遇状況調査の数字
サビ管になると、現場の職員よりどのくらい上がりますか?
厚生労働省の調査では、常勤のサビ管の平均給与額は月405,480円で、福祉・介護職員の327,720円より約7.8万円高いです。処遇改善加算の配分がサビ管に厚い事業所が多いことも理由です。
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」(処遇改善加算を取得している事業所の常勤者・2024年9月)の数字です。
| 職種 | 平均給与額(月額) | 基本給等(月額) | 前年からの増加(平均給与額) |
|---|---|---|---|
| サービス管理責任者 | 405,480円 | 318,460円 | 20,360円 |
| 福祉・介護職員 | 327,720円 | 253,710円 | 19,970円 |
| 看護職員 | — | 305,730円 | — |
| 理学療法士・作業療法士 | — | 302,910円 | — |
平均給与額は基本給+手当+一時金(4〜9月支給額の6分の1)で、年収に直すと約487万円の水準です。
基本給等は毎月決まって支払われる手当までを含んだ額で、サビ管は318,460円です。
この調査には児童発達支援管理責任者とサービス提供責任者も「サービス管理責任者」の区分に含まれています。
求人で給料を見るときの確認点
- 処遇改善加算の区分(Ⅰ〜Ⅴ)と、サビ管への配分があるか
- 基本給と手当の内訳。「サビ管手当」が月いくらか
- 管理者との兼務の有無と、兼務手当
- 更新研修の受講費用と出張扱いを事業所が負担するか
児童発達支援管理責任者との違い
児発管の資格も一緒に取れますか?
研修は共通なので、実践研修を修了すればどちらにも配置できます。ただし実務経験の数え方が違い、児発管は障害児・障害者の支援経験が3年以上含まれていることが条件です。

| 項目 | サービス管理責任者 | 児童発達支援管理責任者 |
|---|---|---|
| 対象 | 18歳以上の障害者 | 18歳未満の障害児 |
| 配置先 | 生活介護、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、就労定着支援、自立訓練、施設入所支援、グループホームなど | 児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援、障害児入所施設など |
| 実務経験 | 相談支援5年/直接支援8年(有資格5年)/国家資格3年+3年 | 3〜10年の実務経験のうち、障害児・障害者の支援が3年以上 |
| 研修 | 基礎研修・実践研修・更新研修(共通) | 同じ研修(分野別の演習あり) |
| 根拠 | 厚生労働省告示第544号 | こども家庭庁長官が定める告示(旧厚生労働省告示第230号) |
研修の修了証はどちらにも使えるので、大人の事業所から子どもの事業所へ、またはその逆の転職がしやすい職種です。
放課後等デイサービスの事業所数は約2万か所で、児発管の需要も大きい分野です。子ども向けサービスの内容は放課後等デイサービスの利用の流れと費用で説明しています。
申込みから配置まで:つまずきやすい点
研修に落ちることはありますか?
試験はありませんが、定員で受けられないことはあります。配置予定がある人を優先する県が多いので、事業所に「来年サビ管として配置したい」と推薦してもらえると通りやすくなります。

| つまずき | 対処 |
|---|---|
| 実務経験証明書が取れない | 退職した職場に早めに依頼。閉鎖している場合は都道府県に相談 |
| 研修の定員に入らない | 事業所の推薦状をもらう。隣接県の研修を受けられる場合もある |
| OJTの2年が長い | 基礎研修の受講時に要件を満たしていれば6か月。要件を満たす前に受けた人は2年 |
| 更新研修の期限切れ | 修了日から5年を手帳に記録。受講要件(2年の実務)も確認 |
| 経過措置の勘違い | 旧体系(2018年度以前)の研修修了者は、2023年度末までに更新研修が必要だった。未受講なら配置できないので都道府県に確認 |
サビ管は「資格」ではなく「研修修了+実務経験」の要件なので、国家試験のような合否はありません。
その代わり、書類(実務経験証明書)と研修の日程管理でつまずく人が多い職種です。
サビ管を目指す人が先に取っておくと有利な資格
社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士などの国家資格は、実務経験の年数を短くできます。
社会福祉士は相談支援の知識がそのまま個別支援計画に活きるので、サビ管を目指す介護職が次に取る資格として選ばれています。
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よくある質問
サビ管は国家資格ですか?
国家資格ではありません。実務経験と研修修了の要件を満たした人を、事業所がサービス管理責任者として配置する仕組みです。
そのため履歴書には「サービス管理責任者研修(実践研修)修了」と書きます。
実務経験が足りなくても基礎研修は受けられますか?
要件を満たす予定の日の2年前から受けられます。
ただし、その場合のOJTは原則2年なので、配置までの合計期間は変わりません。
相談支援専門員とはどう違いますか?
相談支援専門員は、利用者がどのサービスを使うかを決める「サービス等利用計画」を作る職種で、相談支援事業所に所属します。
サビ管は事業所の中で「個別支援計画」を作ります。研修も別で、相談支援専門員は相談支援従事者初任者研修(42.5時間)を受けます。
パートでもサビ管になれますか?
配置基準では常勤・専任が原則です。
小規模の事業所では管理者との兼務が認められる場合がありますが、非常勤での配置は原則できません。
他の都道府県で受けた研修は有効ですか?
有効です。研修の修了証は全国で通用します。
ただし申込みは勤務先か住所地の都道府県が基本で、他県の研修は空きがある場合に限られます。
まとめ
- サービス管理責任者は、生活介護・就労系・グループホームなどに必置の職種。個別支援計画の作成と支援の管理が仕事
- 実務経験は相談支援5年/直接支援8年(有資格5年)/国家資格3年+3年。老人福祉施設や介護保険の経験も数えられる
- 研修は基礎研修(26時間)→OJT(原則2年・条件を満たせば6か月)→実践研修(14.5時間)→5年ごとの更新研修(13時間)
- 基礎研修は要件を満たす2年前から受けられる。配置を急ぐなら、要件を満たした状態で基礎研修を受けてOJTを6か月にする
- 平均給与額は月405,480円(2024年9月)。福祉・介護職員より約7.8万円高い
- 児発管は研修が共通で、実務経験に障害児・障害者の支援3年以上が要る。両方に配置できる
介護福祉士・社会福祉士の有資格者(元職員)。
障害福祉の現場(重度訪問介護)で10年の実務経験を持ち、医療・介護・福祉の資格と制度の情報を発信しています。
参考資料:厚生労働省告示第544号「指定障害福祉サービスの提供に係るサービス管理を行う者として厚生労働大臣が定めるもの等」/厚生労働省「サービス管理責任者等研修制度について」(社会保障審議会障害者部会資料)「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」/こども家庭庁「障害児通所支援又は障害児入所支援の提供の管理を行う者としてこども家庭庁長官が定めるもの」(2026年10月8日確認)

