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就労選択支援とは|利用の流れ・対象者・費用|2025年10月開始・B型の前に原則1か月のアセスメント・2027年4月からA型も

就労選択支援とは・利用の流れと対象者 障害福祉サービス・就労支援

📋 就労選択支援の要点【早見】

  • 2025年10月に始まった障害福祉サービス。短期間の作業と面談で本人の適性・希望を整理し、B型・A型・就労移行・一般就労のどれに進むかを本人と一緒に選ぶためのアセスメント。合否判定や振り分けではない
  • 就労継続支援B型を新しく使う人は原則として先に利用。50歳以上・障害基礎年金1級・就労経験があり年齢や体力で一般就労が難しくなった人は例外(希望すれば利用できる)
  • 2027年4月からはA型を新しく使う人、就労移行支援を2年を超えて使う人も原則対象になる予定
  • 支給決定は原則1か月。作業アセスメントは2週間程度が目安で、多機関のケース会議とアセスメントシートの作成で終わる。利用者負担は他の障害福祉サービスと同じ所得別の上限
  • 事業所は2026年3月時点で全国419か所・利用者995人。近くに無い場合や待機が生じる場合は、就労移行支援事業所などのアセスメントでB型を使える例外がある

出典:厚生労働省「就労選択支援 実施マニュアル」「障害福祉サービスの内容(就労選択支援・就労移行支援・就労継続支援)」(2026年10月9日確認)

相談者

相談者

特別支援学校の高等部3年です。卒業後はB型に通うつもりでしたが、学校から「就労選択支援を先に受ける」と言われました。何をするのですか?

有資格者

有資格者

2025年10月から、B型を初めて使う人は原則として就労選択支援を先に利用する仕組みになりました。事業所で2週間ほど作業と面談をして、本人・家族・学校・支援機関で結果を共有し、B型でよいのか、A型や就労移行支援のほうが合うのかを一緒に考えます。流れと対象者、費用、つまずきやすい点を順に説明しますね。

  • 就労選択支援が何をするサービスで、自分が受けなければならないのか知りたい
  • どこに申し込み、何日通い、費用はいくらかかるのか分からない
  • 結果で進路が決められてしまうのか、B型やA型との関係が不安
✍️ この記事を書いた人
障害福祉の現場(重度訪問介護)で10年勤務した介護福祉士・社会福祉士の有資格者(元職員)。
本記事は、厚生労働省の実施マニュアルと報酬資料を確認して執筆しています。

この記事でわかること

  • 就労選択支援の目的と4つのプロセス(情報提供・作業アセスメント・ケース会議・結果の作成)
  • 誰がいつから対象か(B型の新規は2025年10月から原則、A型は2027年4月から)と例外
  • 申込みから結果までの流れと期間(原則1か月)、必要な手続き
  • 費用(利用者負担の上限)と事業所の報酬
  • 就労移行支援・B型・A型との違いと、結果の使われ方
  • 事業所が近くにないときの扱いと、つまずきやすい点
就労選択支援の利用の流れ(相談→支給決定→作業アセスメント→ケース会議→進路の選択)
図1 就労選択支援の利用の流れ(厚生労働省「就労選択支援 実施マニュアル」をもとに作成)

就労選択支援とは:働き方を選ぶためのアセスメント

相談者

相談者

「就労アセスメント」とどう違うのですか?

有資格者

有資格者

以前は、B型を使う前に就労移行支援事業所が行う「就労アセスメント」がありました。就労選択支援はこれを独立したサービスにしたもので、本人と協同で進めること、多機関のケース会議を開くこと、結果をハローワークなどとも共有することが特徴です。

就労選択支援は、障害者総合支援法5条13項に定められた訓練等給付のサービスで、2025年10月1日に始まりました。

厚生労働省の実施マニュアルは、「就労能力や適性を客観的に評価し、可視化していく手法が確立されていない」という課題から創設されたと説明しています。

プロセス 内容
① 本人への情報提供 地域の就労系サービス・企業・雇用事例などの情報を本人に伝える。事業所は協議会に参加して社会資源を把握する
② 作業場面を活用した状況把握 短期間の生産活動(軽作業・事務作業など)や面談を通じて、就労に関する適性・知識・能力・必要な配慮を把握する
③ 多機関連携によるケース会議 本人・家族・学校・相談支援事業所・ハローワーク・利用予定の事業所などを集め、本人の意向を確かめ、関係者の意見を聞く
④ アセスメント結果の作成と連絡調整 本人と協同でアセスメントシートを作り、結果を本人にフィードバック。必要に応じて事業所やハローワークとの連絡調整を行う

マニュアルは、就労選択支援は就労の可否を判断したり、どのサービスを使うかを振り分けたりするものではないと明記しています。

結果は本人のものとして扱われ、次に使うサービスの支給決定で市区町村が「勘案」する資料になります。

なぜB型の前に受けるのか

B型は雇用契約がなく工賃も月平均2万円台なので、一度決まると一般就労への道が遠くなりやすい、という問題意識が背景にあります。

そのため、本人の適性を本人と一緒に確かめてからB型・A型・就労移行支援・一般就労を選ぶ仕組みが入りました。

B型の工賃や利用の流れは就労継続支援B型の工賃・利用料・利用の流れで説明しています。

誰がいつから対象か:B型は2025年10月、A型は2027年4月から

相談者

相談者

すでにB型に通っています。更新のときも受けないといけませんか?

有資格者

有資格者

いいえ。すでにB型を使っていて更新する人は、希望に応じて利用できる扱いです。原則利用になるのは「新しくB型を使う人」だけで、それも50歳以上・障害基礎年金1級・就労経験のある人は例外です。

就労選択支援の対象者と時期(2025年10月からB型新規は原則利用・2027年4月からA型も)
図2 誰がいつから対象になるか(実施マニュアルの対象者表をもとに作成)
使いたいサービス 新しく使う人 すでに使っていて更新する人
就労継続支援B型 2025年10月から原則利用。例外=50歳に達している人、障害基礎年金1級の人、就労経験があり年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが難しくなった人(希望に応じて利用) 希望に応じて利用
就労継続支援A型 2027年4月から原則利用(予定)。それまでは希望に応じて利用 希望に応じて利用
就労移行支援 希望に応じて利用 標準利用期間(2年)を超えて更新する人は2027年4月から原則利用(予定)

A型と就労移行支援の2027年4月以降の扱いは「支援体制の整備状況を踏まえつつ」とされているので、実施時期は厚生労働省の最新の通知で確かめてください。

近くに事業所がないとき

最も近い事業所でも通うのが難しい場合や、事業所が少なく待機期間が生じる場合は、就労移行支援事業所などによる従来の就労アセスメントを経てB型を使うことが認められています。

事業所は2026年3月時点で全国419か所、利用者は995人(国保連実績)で、地域差が大きい段階です。

市区町村の障害福祉課か相談支援事業所に、通える事業所があるか、無い場合はどの扱いになるかを先に聞いてください。

特別支援学校に在学中でも使える

特別支援学校等の在学生も対象で、高等部の各学年で利用できます。在学中に複数回受けることや、職場実習の時期に合わせて受けることも認められています。

作業観察は、事業所に通って行うほか、学校の教育課程に位置づけられた校内実習や作業学習、企業での現場実習の場面で行うこともできます。

学校の進路指導・相談支援事業所・市区町村が連携して、卒業前の2〜3月に集中しないよう年間計画を組む自治体もあります。

申込みから結果までの流れと期間(原則1か月)

相談者

相談者

何日通いますか? 仕事を休む必要がありますか?

有資格者

有資格者

支給決定期間は原則1か月で、そのうち事業所で作業をする日数は2週間程度が目安です。毎日通う必要はなく、週に数日の作業日と面談、最後にケース会議という組み立てが多いです。日数は事業所と相談して決めます。

順番 内容 担当
1 相談 市区町村の障害福祉課、相談支援事業所、学校の進路担当に「就労選択支援を使いたい」と伝える 本人・家族
2 計画案 相談支援専門員がサービス等利用計画案を作る(セルフプランも可) 相談支援事業所
3 申請・支給決定 市区町村に申請。原則1か月の支給決定を受け、受給者証に就労選択支援が記載される 市区町村
4 契約・作業 事業所と契約し、短期間の作業と面談でアセスメントを受ける(2週間程度) 就労選択支援事業所
5 ケース会議 本人・家族・学校・相談支援・ハローワーク・利用予定の事業所などが集まり、結果と意向を確かめる 事業所が招集
6 結果の作成 本人と協同でアセスメントシートを作り、本人に渡す。次のサービスの申請で市区町村が勘案する 事業所・本人
7 連絡調整 必要に応じて利用予定の事業所やハローワークに結果を共有し、見学や体験につなぐ 事業所

受給者証の支給決定は原則1か月なので、作業日が足りないときは早めに事業所と市区町村に相談します。

サービス等利用計画を作る相談支援専門員の役割は相談支援専門員になるには、受給者証の取り方は障害福祉サービスの種類一覧と使い方で説明しています。

アセスメントシートに書かれること

作業の正確さや持続時間だけでなく、指示の受け取り方、休憩の取り方、通勤の方法、必要な配慮、本人の希望する働き方が整理されます。

本人の強みと課題を本人の言葉で書く欄があり、事業所が一方的に評価する書類ではなく、本人と一緒に作る書類です。

一般就労を目指す場合は、本人の同意のもとでハローワークにも共有され、職業相談や職場実習に使われます。

費用と事業所の報酬

相談者

相談者

お金はかかりますか?

有資格者

有資格者

障害福祉サービスなので、利用者負担は所得に応じた月の上限額までです。住民税非課税の世帯は0円で、課税世帯は9,300円か37,200円が上限です。1か月のサービスなので、負担があっても1か月分だけです。

区分 世帯の状況 月の上限額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯 0円
一般1 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

18歳以上の人は本人と配偶者だけで世帯を判定するので、親と同居していても親の所得は見ません。

就労移行支援の利用者の9割が負担0円なのと同じ仕組みです。事業所の報酬は就労選択支援サービス費1,210単位/日で、1単位は地域区分により約10〜11円です。

事業所が自分の法人の就労移行支援やB型に利用者の8割超を誘導すると「特定事業所集中減算」で報酬が減るので、他法人の事業所を勧められることも制度上は想定されています。

就労移行支援・B型・A型との違いと結果の使い方

相談者

相談者

就労選択支援を受けたら、必ずそこで言われた進路に進むのですか?

有資格者

有資格者

いいえ。結果は本人のもので、どのサービスを使うかは本人が決めます。市区町村は次の支給決定で結果を「勘案」しますが、振り分けではありません。結果と違う希望があれば、その理由を相談支援専門員に伝えて計画案に書いてもらいます。

就労選択支援と就労移行支援の違い(目的・期間・内容・報酬)
図3 就労選択支援と就労移行支援の違い
就労選択支援 就労移行支援 就労継続支援B型 就労継続支援A型
目的 働き方を選ぶアセスメント 一般就労に向けた訓練 雇用契約なしで働く場 雇用契約ありで働く場
期間 原則1か月 標準2年 制限なし 制限なし
お金 利用者負担のみ 利用者負担のみ 工賃(月平均2万円台) 最低賃金以上の賃金
人員 就労選択支援員15:1。サビ管なし 職業指導員・就労支援員・サビ管 職業指導員・生活支援員・サビ管 同左
入口 市区町村の支給決定 同左(就労選択支援の結果を勘案) 2025年10月から原則、就労選択支援を先に 2027年4月から原則、就労選択支援を先に(予定)

一般就労を目指す結果が出た人は、就労移行支援で訓練と就職活動に進むのが一般的です。流れと費用は就労移行支援の利用の流れと費用で説明しています。

障害者雇用枠で直接働く選択肢は障害者雇用枠で働くには、手帳の取り方は障害者手帳の3種類と申請方法・メリットにまとめています。

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※事業所の場所・内容は2026年10月7日に公式サイトで確認。最新の内容は公式サイトでご確認ください。

事業所と就労選択支援員:誰がアセスメントをするのか

実施主体は、就労移行支援事業所、就労継続支援事業所、障害者就業・生活支援センターの受託法人、自治体の就労支援センター、障害者職業能力開発訓練を行う機関です。

多くは既存の就労移行支援やB型の事業所が併設する形で始まっています。

項目 基準
定員 10人以上
就労選択支援員 利用者15人に1人以上。就労選択支援員養成研修の修了が要件
養成研修の受講要件 障害者の就労支援に関する基礎的研修の修了、または就労支援分野の勤務実績が通算5年以上
経過措置(2027年度末まで) 基礎的研修・就業支援基礎研修(就労支援員対応型)・訪問型職場適応援助者養成研修・サビ管専門コース(就労支援)・相談支援従事者専門コース(就労支援)のいずれかの修了者は養成研修を受けられる。基礎的研修等の修了者を就労選択支援員とみなす
不要なもの 個別支援計画の作成、サービス管理責任者の配置(短期間のサービスのため)

福祉・介護の職員から見ると、就労選択支援員は基礎的研修か5年の就労支援経験で目指せる新しい配置です。

事業所を選ぶときは、作業の種類(軽作業だけか、事務やPC作業もあるか)、ケース会議に誰を呼ぶか、結果をどう渡すかを見学で聞いてください。

つまずきやすい点と対処

就労選択支援を使う前に確かめることのリスト
図4 利用前のチェックリスト
つまずき 対処
近くに事業所がない 市区町村に例外(就労移行支援事業所等のアセスメント)の扱いを聞く。待機が長い場合も同じ
1か月では作業日が足りない 事業所に作業日の組み方を相談。支給決定期間の延長が必要なら市区町村に早めに相談
結果と本人の希望が違う 結果は振り分けではない。希望する理由を相談支援専門員に伝え、計画案に反映してもらう
ケース会議に学校やハローワークが来ない 事業所が招集する。本人・家族からも出席を頼む。一般就労を目指すならハローワークの参加が大事
同じ法人のB型に誘導される 特定事業所集中減算があるので、他法人の事業所も見学できるか聞く
卒業直前で時間がない 在学中の各学年で受けられる。高3の実習時期に合わせて早めに申し込む

利用前に確かめること(ひな形)

  • 自分が「原則利用」か「希望に応じて利用」か(B型新規/50歳以上・基礎年金1級・就労経験あり)
  • 通える事業所があるか。無ければ例外の扱い
  • 相談支援専門員に計画案を頼めるか(セルフプランの可否)
  • 作業日の日程と通い方。在学中なら実習と重ねられるか
  • ケース会議に呼ぶ人(家族・学校・ハローワーク・利用予定の事業所)
  • 結果の使い道=次に申請するサービスと、見学・体験の予定

一般就労の選択肢のひとつ、特例子会社は特例子会社とは|働くメリット・注意点・給料の目安・求人の探し方で説明しています。

就職後の配慮と支援機関の使い方は、職場の合理的配慮と就労を支える機関で説明しています。

よくある質問

就労選択支援は必ず受けないといけませんか?

新しくB型を使う人は原則として受けます。すでにB型・A型・就労移行支援を使っている人や、50歳以上・障害基礎年金1級・就労経験がある人は、希望に応じて利用する扱いです。

A型と就労移行支援の長期利用は2027年4月から原則利用になる予定です。

結果でB型を使えないことはありますか?

就労選択支援は振り分けや合否判定ではありません。結果は市区町村が支給決定で勘案する資料で、本人の希望と合わせて判断されます。

結果と違う希望があるときは、理由をサービス等利用計画案に書いてもらってください。

費用はいくらですか?

他の障害福祉サービスと同じで、所得に応じた月の上限額(0円・9,300円・37,200円)までです。

作業に使う材料費や昼食代の実費がかかる事業所もあるので、契約時に確かめてください。

何回も受けられますか?

在学中に複数回受けることは認められています。卒業後も、状況が変わって別のサービスを検討するときに再度利用できますが、間隔の目安を設ける自治体があります。

市区町村の障害福祉課に確かめてください。

障害者手帳がなくても使えますか?

障害福祉サービスの対象(身体・知的・精神障害、難病など)であれば、手帳がなくても医師の診断書などで支給決定を受けられます。

手帳の取り方は別記事で説明しています。

就労選択支援員になるにはどうすればよいですか?

就労選択支援員養成研修の修了が要件で、受講には基礎的研修の修了か就労支援分野の勤務実績5年以上が必要です。

2027年度末までは、就業支援基礎研修やサビ管・相談支援の専門コース(就労支援)の修了者も受講できる経過措置があります。

まとめ

  • 就労選択支援は2025年10月開始。短期間の作業と面談・多機関のケース会議・アセスメントシートで、本人と一緒に働き方を選ぶサービス。振り分けや合否判定ではない
  • B型を新しく使う人は原則利用(例外=50歳以上・基礎年金1級・就労経験あり)。A型新規と就労移行支援の2年超は2027年4月から原則利用の予定
  • 支給決定は原則1か月、作業は2週間程度。窓口は市区町村と相談支援事業所。特別支援学校の在学中でも受けられる
  • 利用者負担は所得別の上限(0円・9,300円・37,200円)。事業所の報酬は1,210単位/日
  • 事業所は2026年3月時点で419か所。近くに無い・待機が長いときは就労移行支援事業所等のアセスメントでB型を使える例外がある
  • 結果は本人のもの。一般就労を目指すなら就労移行支援やハローワークへ、結果を持って進む
👤 著者プロフィール
介護福祉士・社会福祉士の有資格者(元職員)。
障害福祉の現場(重度訪問介護)で10年の実務経験を持ち、医療・介護・福祉の資格と制度の情報を発信しています。

参考資料:厚生労働省「就労選択支援 実施マニュアル」(対象者・プロセス・人員基準・特別支援学校在学者の実施)/厚生労働省「障害福祉サービスの内容」就労選択支援・就労移行支援・就労継続支援の報酬資料(就労選択支援サービス費1,210単位、特定事業所集中減算、事業所数419・利用者995=国保連令和8年3月実績)/障害者総合支援法5条13項/厚生労働省「障害者の利用者負担」(2026年10月9日確認)

障害福祉サービス・就労支援
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