🎒 放課後等デイサービスの要点【早見】
- 学校に通う障害のある子(小学生〜高校生)が、放課後や休業日に通う児童福祉法の障害児通所支援。原則18歳まで、必要なら満20歳まで延長できる
- 利用には市区町村の通所受給者証が必要。相談→申請→計画案→支給決定→事業所と契約の順で、交付まで1〜2か月が目安
- 利用料は費用の1割だが、世帯の所得で上限月額が0円・0円・4,600円・37,200円の4区分。おやつ代などの実費は別
- 通える日数(支給量)は、原則として月の日数から8日を引いた日数が上限。必要があれば市区町村が個別に判断する
- 2024年7月改訂のガイドラインで、支援は「5領域」を網羅した総合的な支援が基本になった。事業所は約2万か所・利用者約30万人(2022年度)
出典:こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」「利用者負担の仕組み」「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等について(令和7年1月)」(2026年10月7日確認)
小学2年の子が支援級に通っています。学校から「放課後等デイサービスを使ってみては」と言われました。
学童とは違うのですか? お金はかかりますか?
学童は「預かり」、放課後等デイサービスは「発達の支援」をする福祉サービスです。
利用料は所得で上限が決まり、多くの家庭は月4,600円か0円です。受給者証の取り方から順に説明しますね。
- 受給者証という言葉を初めて聞いた。どこに申請するのか分からない
- 事業所がたくさんあって、何を基準に選べばいいのか分からない
- 通える日数に上限があると聞いたが、仕組みが分からない
障害福祉の現場(重度訪問介護)で10年勤務した介護福祉士・社会福祉士の有資格者(元職員)。療育手帳を持つ子の親でもあります。
本記事は、こども家庭庁の公表資料を確認して執筆しています。
この記事でわかること
- 放課後等デイサービスの対象・内容・学童との違い
- 通所受給者証の取り方と、申請から利用までの流れ
- 利用料の4区分と、おやつ代などの実費
- 通える日数(支給量)の決まり方
- 2024年7月改訂ガイドラインの5領域と、事業所の見学で確かめること

放課後等デイサービスとは:対象と内容
障害者手帳がないと使えませんか? うちは診断は受けていますが、手帳はまだです。
手帳は必須ではありません。医師の診断書や意見書で「支援が必要」と確認できれば、受給者証が出る自治体がほとんどです。
放課後等デイサービスは、児童福祉法第6条の2の2に定められた障害児通所支援のひとつです。
こども家庭庁のガイドラインでは、対象を学校教育法第1条の学校(幼稚園・大学を除く)に就学している障害児としています。
つまり小学生から高校生までで、授業の終了後や休業日(土日・長期休み)に通います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 学校に就学している障害のある子(小学生〜高校生)。18歳以降も必要と認められれば満20歳まで利用できる |
| 内容 | 生活能力の向上のための支援、社会との交流の促進。遊びや活動を通じた発達の支援と、家族への支援 |
| いつ | 授業の終了後と休業日。学校への迎えと自宅への送りをする事業所が多い |
| 規模 | 事業所数 約2万か所、利用者数 約30万人(2022年度・こども家庭庁) |
| 根拠 | 児童福祉法6条の2の2第3項。2023年4月からこども家庭庁が所管 |
学童(放課後児童クラブ)との違い
学童は「保護者が働いている間の居場所」で、障害の有無に関係なく使えます。
放課後等デイサービスは障害のある子の発達を支援する場で、一人ひとりの計画(放課後等デイサービス計画)を作って支援します。
両方を併用している家庭も多く、週の前半は学童、後半はデイのように組むこともできます。
学童は市区町村の子育て担当、放課後等デイサービスは障害福祉担当と、窓口が違う点に注意してください。
通所受給者証の取り方:申請から利用までの流れ
事業所に直接申し込めば通えるのですか?
見学や体験は直接申し込めますが、契約には市区町村が出す「通所受給者証」が要ります。役所と事業所の両方を並行して進めるのがコツです。
こども家庭庁の「通所給付決定事務等について」にある手続きを、保護者の動きに直して整理します。
| 順番 | やること | 相手 |
|---|---|---|
| 1. 相談 | 子の状況を伝え、使えるサービスと必要書類を聞く。並行して事業所の見学・体験を申し込む | 市区町村の障害福祉窓口/障害児相談支援事業所 |
| 2. 支給申請 | 障害児通所給付費の支給申請書を出す。療育手帳・診断書・意見書など、自治体が求める書類を添える | 市区町村 |
| 3. 計画案の提出 | 障害児支援利用計画案を出す。相談支援専門員が作るのが基本だが、保護者が作る「セルフプラン」も認められている | 障害児相談支援事業所/保護者 |
| 4. 調査・支給決定 | 市区町村が子の状況や家庭の事情を調査し、通える日数(支給量)と有効期間を決めて通所受給者証を交付する | 市区町村 |
| 5. 契約・利用開始 | 受給者証を事業所に見せて契約。事業所が放課後等デイサービス計画を作り、利用が始まる | 事業所 |
相談から受給者証の交付まで、自治体によって1〜2か月かかります。
4月からの利用を考えるなら、年明けには相談を始めておくと間に合います。
申請の前にそろえておくもの(自治体で違いがあります)
- 療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・身体障害者手帳のいずれか。なければ医師の診断書か意見書
- 保護者の所得が分かる書類(課税証明書など。自治体が取得する場合もある)
- 見学・体験した事業所の名前と、通いたい曜日・日数の希望
- 相談支援事業所に計画案を頼む場合は、その事業所との契約
計画案は誰が作るか
障害児支援利用計画案は、指定障害児相談支援事業所の相談支援専門員が作るのが基本です。
ただし、こども家庭庁の事務処理要領では、保護者が希望すればセルフプランを出せるとされています。
相談支援事業所が空いていない地域ではセルフプランが多く、自治体の窓口に様式があります。
相談支援専門員に頼むと、利用開始後も定期的に状況を見てもらえる(モニタリング)利点があります。
通える日数:支給量の決まり方
受給者証に「23日」と書いてあります。これは何の数字ですか?
1か月に通える上限の日数(支給量)です。「月の日数から8日を引いた日数」が原則なので、31日の月なら23日になります。
こども家庭庁の事務処理要領では、通所支援の支給量は各月の日数から8日を控除した日数を原則としています。
これを「原則の日数」と呼び、それを超える日数が必要なときは、市区町村が個別の事情を見て判断します。
| 月の日数 | 原則の支給量 | 目安 |
|---|---|---|
| 31日 | 23日 | 平日ほぼ毎日+休業日の一部 |
| 30日 | 22日 | 同上 |
| 28日 | 20日 | 同上 |
実際には、週2〜3日(月10日前後)から始める家庭が多く、受給者証の日数は「上限」です。
複数の事業所を併用する場合も、合計がこの日数の範囲に収まるように調整します。
受給者証には有効期間があり、更新のたびに日数を見直せます。
利用料はいくらか:上限月額の4区分と実費
1回で数千円から1万円近くかかると聞いて驚きました。本当にそんなにかかりますか?
それは事業所が受け取る総額です。家庭が払うのはその1割で、しかも月の上限が決まっています。多くの家庭は月4,600円で止まります。

障害児通所支援の自己負担は費用の1割で、こども家庭庁の案内では所得に応じて4区分の上限月額があります。
| 区分 | 世帯の収入状況 | 上限月額 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 一般1 | 市町村民税課税世帯で所得割28万円未満(収入が概ね890万円以下) | 4,600円 |
| 一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
障害児の場合、所得を見る「世帯」は保護者の属する住民票上の世帯です。
共働きなら両親の所得を合わせて判定します。
大人の障害福祉サービス(本人と配偶者だけで判定・一般1は9,300円)とは、世帯の範囲も上限額も違います。
月に何日通っても、上限を超える負担はありません。週3日通っても週5日通っても、一般1なら4,600円です。
上限とは別にかかる実費
実費の例(事業所ごとに違う)
- おやつ代(1回ごとに定額で集める事業所が多い)
- 教材費・創作活動の材料費
- 外出イベントの入場料・交通費
- 長期休みの昼食代(弁当持参か、事業所の提供か)
通所施設の食費は、こども家庭庁の案内で低所得2,860円・一般1は5,060円(月22日利用の場合)に軽減される仕組みがあります。
実費は少額でも、週3日×月12回なら年間でまとまった額になります。
契約のときに「月の目安」を数字で聞いておくと、あとで困りません。
就学前の子が使う児童発達支援は、3歳から就学までの利用者負担が無償化されています(放課後等デイサービスは対象外)。
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※内容・対象年齢は2026年10月7日に確認。疾患や運動制限がある場合は体験を受けられないことがあります。最新の内容は公式サイトでご確認ください。
2024年7月改訂のガイドライン:支援の5領域
「習い事みたい」なデイと、「療育っぽい」デイがあります。どちらがいいのですか?
2024年の改定で「特定のことだけやる」デイは認められなくなりました。5領域を全部見たうえで、得意分野に重点を置く形が基本です。

こども家庭庁は2024年7月に放課後等デイサービスガイドラインを改訂しました。
本人支援は、「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5領域の視点を踏まえてアセスメントし、全体を網羅した支援を行うことが基本になりました。
| 型 | 内容 |
|---|---|
| 総合的な支援 | 5領域の視点を網羅したアセスメントをしたうえで、遊びや生活の中で一人ひとりに合わせた支援を行う。すべての事業所の基本 |
| 特定の領域に重点を置いた支援 | 総合的な支援を行ったうえで、理学療法士などの専門性にもとづき、特定の領域に重点を置く。運動や言語に強いデイがこれにあたる |
| 認められない形 | 5領域のアセスメントをせず、特定の領域の支援だけを行うこと(ガイドラインは「総合的な支援として相応しくない」としている) |
事業所は、5領域との関連を書いた「放課後等デイサービス計画」を作り、保護者に説明する義務があります。
見学のときに「計画は5領域のどこを重点にしますか」と聞けば、ガイドラインを踏まえて運営しているかが分かります。
2024年度の報酬改定では、支援時間に応じた区分も設けられ、短時間の預かりだけでは報酬が下がる仕組みになっています。
事業所の選び方:見学と体験で確かめること
近所に5か所もあります。全部見学するべきですか?
2〜3か所で十分です。同じ質問を同じ順番でぶつけると、違いがはっきり見えます。福祉の現場にいた立場で言うと、スタッフが子どもの名前を呼ぶ回数と声の調子がいちばんの判断材料です。

| 確かめること | 聞き方の例 |
|---|---|
| 計画と5領域 | 「計画はどの領域を重点にしますか」「保護者への説明はいつありますか」 |
| 1日の流れと支援時間 | 「学校への迎えは何時ですか」「活動は何時から何時までですか」 |
| 送迎と休業日 | 「送迎の範囲はどこまでですか」「夏休みは何時に開きますか」 |
| スタッフ | 「児童発達支援管理責任者はどなたですか」「保育士やOT・PTはいますか」 |
| 実費 | 「おやつ代・教材費・イベント費は月いくらくらいですか」 |
| 子どもの反応 | 体験利用で、帰りの車の中の表情と「また行きたいか」を聞く |
事業所には、運動や学習など得意分野を前面に出すところと、生活や遊びを中心にするところがあります。
どちらが良いかは子どもによって違うので、タイプの違う2か所を体験すると判断しやすくなります。
空きがないときの考え方
都市部では人気の事業所に待機が出ています。
受給者証は先に取っておき、空きが出たときにすぐ契約できるようにしておきます。
待っている間は、学童や日中一時支援、民間のオンライン療育を組み合わせる家庭もあります。
複数の事業所を曜日で分けて使う「併用」も、支給量の範囲内なら可能です。
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よくある質問
何歳から何歳まで使えますか?
小学校に入学してから、原則として18歳(高校卒業)までです。
引き続き利用しないと福祉を損なうおそれがあると認められれば、満20歳まで使えます。
障害者手帳がなくても使えますか?
手帳は必須ではありません。
医師の診断書や意見書で支援の必要性が確認できれば受給者証が出る自治体が多いので、窓口で確かめてください。
学童と併用できますか?
できます。曜日で分けて使う家庭が多くあります。
学童は子育て担当、放課後等デイサービスは障害福祉担当と窓口が違うので、それぞれに申し込みます。
引っ越したら受給者証はどうなりますか?
受給者証は市区町村ごとに出るので、転居先で申請し直します。
転居前に転居先の窓口に連絡しておくと、空白期間を短くできます。
18歳以降の進路はどう考えればいいですか?
高等部卒業後は、就労移行支援や就労継続支援、生活介護などの大人のサービスに移ります。
一般就職を目指す場合の流れと費用は、就労移行支援の利用の流れと費用で説明しています。
まとめ
- 放課後等デイサービスは、学校に通う障害のある子が放課後・休業日に通う児童福祉法のサービス。原則18歳まで、必要なら満20歳まで
- 利用には市区町村の通所受給者証が必要。相談→申請→計画案→支給決定→契約の順で、交付まで1〜2か月
- 利用料は1割負担で、保護者世帯の所得で上限0円・0円・4,600円・37,200円。おやつ代などの実費は別
- 通える日数は原則「月の日数−8日」が上限。週2〜3日から始める家庭が多い
- 2024年7月改訂のガイドラインで、5領域を網羅した総合的な支援が基本に。見学では計画の重点領域、送迎、実費、子どもの反応を確かめる
介護福祉士・社会福祉士の有資格者(元職員)。
障害福祉の現場(重度訪問介護)で10年の実務経験を持ち、療育手帳を持つ子の親として、医療・介護・福祉の資格と制度の情報を発信しています。
参考資料:こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」「利用者負担の仕組み」「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等について(令和7年1月)」「障害児支援行政の動向について(令和6年9月)」/児童福祉法6条の2の2/へやすぽアシスト公式サイト(2026年10月7日確認)

