📋 精神保健福祉士の受験資格【早見】
- 受験資格は精神保健福祉士法7条の11ルート。4年制大学で指定科目を修めた人はそのまま受験、基礎科目だけなら短期養成施設6か月以上、福祉系以外の大学卒は一般養成施設1年以上
- 短大卒は指定施設での相談援助の実務1〜2年を足す。学歴がなくても相談援助の実務4年以上+一般養成施設1年以上で受けられる
- 社会福祉士は短期養成施設6か月以上で受験でき、国家試験では共通12科目が免除される(受ける科目は専門6科目だけ)
- 第28回(2026年2月)は受験者7,107人・合格者5,558人・合格率78.2%。短期養成施設等ルートは90.6%、一般養成施設等ルートは64.7%
- 第29回は2027年2月6日・7日。受験申込は2026年10月2日で受付終了済み。次に受けられるのは2028年2月の第30回
出典:精神保健福祉士法7条(e-Gov法令検索)、厚生労働省「第28回精神保健福祉士国家試験の合格発表」(令和8年3月3日)、公益財団法人社会福祉振興・試験センター「第29回精神保健福祉士国家試験」案内(2026年10月9日確認)
福祉系ではない大学を卒業して、今は障害者のグループホームで働いています。精神保健福祉士を取りたいのですが、受験資格はありますか?
4年制大学を卒業しているなら、学部に関係なく「一般養成施設で1年以上」学べば受験資格が得られます(法7条3号)。通信課程なら働きながら進められ、実習は勤務先の条件次第で免除されることがあります。11のルートを学歴別に整理して、費用と試験の中身まで順に説明しますね。
- 自分の学歴と職歴で、どのルートなら受験資格を得られるのか知りたい
- 養成施設の期間・費用・実習、働きながら通えるのかが分からない
- 社会福祉士との関係(どちらを先に取るか、科目免除)と合格率を知りたい
障害福祉の現場(重度訪問介護)で10年勤務した介護福祉士・社会福祉士の有資格者(元職員)。
本記事は、精神保健福祉士法の条文と厚生労働省・試験センターの公表資料を確認して執筆しています。
この記事でわかること
- 精神保健福祉士法7条の11ルートを学歴別に整理した表
- 短期養成施設(6か月以上)・一般養成施設(1年以上)の違いと通信課程
- 「指定施設」「相談援助の業務」の数え方と実務経験証明書
- 試験の18科目と社会福祉士の共通科目免除、合格基準、受験手数料
- 第28回の合格率とルート別の差、第29回・第30回の日程
- 費用(養成施設・給付金・登録)と、出願前のチェックリスト

受験資格の11ルート:学歴別の早見表
「指定科目」と「基礎科目」は何が違うのですか?
指定科目は精神保健福祉士に必要な科目の全部、基礎科目はその一部です。指定科目を全部修めていればそのまま受験でき、基礎科目だけなら短期養成施設で残りを学びます。自分の大学がどちらに当たるかは、大学の学生課か試験センターの学校一覧で確かめます。
| 号 | 学歴 | 必要な実務経験 | 養成施設 |
|---|---|---|---|
| 1号 | 4年制大学で指定科目を修めて卒業 | 不要 | 不要(そのまま受験) |
| 2号 | 4年制大学で基礎科目を修めて卒業 | 不要 | 短期養成施設6か月以上 |
| 3号 | 4年制大学を卒業(学部不問) | 不要 | 一般養成施設1年以上 |
| 4号 | 3年制短大で指定科目を修めて卒業(夜間・通信を除く) | 指定施設で相談援助1年以上 | 不要 |
| 5号 | 3年制短大で基礎科目を修めて卒業(同上) | 同1年以上 | 短期養成施設6か月以上 |
| 6号 | 3年制短大を卒業(同上) | 同1年以上 | 一般養成施設1年以上 |
| 7号 | 短大(2年制を含む)で指定科目を修めて卒業 | 指定施設で相談援助2年以上 | 不要 |
| 8号 | 短大で基礎科目を修めて卒業 | 同2年以上 | 短期養成施設6か月以上 |
| 9号 | 短大・高等専門学校を卒業 | 同2年以上 | 一般養成施設1年以上 |
| 10号 | 学歴を問わない | 指定施設で相談援助4年以上 | 一般養成施設1年以上 |
| 11号 | 社会福祉士の登録者 | 不要 | 短期養成施設6か月以上 |
法7条は、各号に「その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者」を含めています。専門職大学や外国の学校、旧制度の卒業者はこの規定で扱われるので、該当するかは試験センターに照会してください。
4〜6号の3年制短大ルートは、夜間や通信の学科を卒業した人は対象外で、その場合は7〜9号(実務2年)で数えます。
自分がどの号か迷ったら
| あなたの状況 | 当てはまる号 |
|---|---|
| 福祉系の4年制大学を卒業した | 1号か2号。大学に指定科目・基礎科目の履修証明を頼む |
| 福祉系以外の4年制大学を卒業した | 3号。一般養成施設1年以上 |
| 短大・高専を卒業して福祉の現場で相談援助をしている | 4〜9号。短大の種類と実務年数で分かれる |
| 高卒で障害福祉サービス事業所などに勤めている | 10号。相談援助の業務4年以上+一般養成施設1年以上 |
| 社会福祉士を持っている | 11号。短期養成施設6か月以上。試験は専門6科目のみ |
| 介護福祉士・看護師を持っている | 資格だけでは受験資格にならない。学歴と実務経験で上の号に当てはめる |
「指定施設」と「相談援助の業務」の数え方
グループホームの世話人の経験は実務経験になりますか?
職場が指定施設でも、業務が「相談援助」でないと数えられません。世話人や生活支援員として介護や見守りだけをしていた期間は対象外で、精神障害のある人の相談に応じて助言・指導をする職務であることが要件です。職場に実務経験証明書を書いてもらい、試験センターの様式に沿って判断します。
指定施設は厚生労働省令で定められ、精神科病院などの医療機関、精神保健福祉センター、保健所、障害福祉サービス事業所、障害者支援施設、地域活動支援センター、就労支援機関などが含まれます。
相談援助の業務は、精神障害者の社会復帰に関する相談に応じ、助言・指導・日常生活への適応のための訓練などを行う職務です。
| 数え方 | 内容 |
|---|---|
| 期間 | 指定施設で相談援助の業務に従事した期間を通算する。複数の職場を合算できる |
| 証明 | 職場ごとに実務経験証明書(試験センターの様式)を発行してもらう。閉鎖した施設の分は都道府県や法人本部に相談 |
| 見込み | 養成施設の入学時点で実務経験を満たす必要があるかは施設ごとに違う。受験申込時には満たしていること |
| 対象外の例 | 介護・送迎・事務のみの職務、ボランティア、学生実習 |
実務経験の判定は、養成施設への入学については各養成施設が、受験申込については試験センターが行います。
障害福祉の現場で相談員・支援員として働いてきた人は、職務内容が相談援助に当たるかを先に職場と確かめるのが最初の一歩です。
短期養成施設と一般養成施設:期間・通信・実習・費用
働きながら通えますか?
通信課程を置く一般養成施設・短期養成施設があります。レポートとスクーリング、実習210時間が柱で、一般養成は1年以上、短期養成は6か月以上です。実習は、指定施設で1年以上相談援助をしている社会福祉士などの条件で免除する学校があります。

| 短期養成施設 | 一般養成施設 | |
|---|---|---|
| 対象 | 基礎科目を修めた大学・短大卒(2・5・8号)、社会福祉士(11号) | 福祉系以外の大学・短大・高専卒(3・6・9号)、実務4年の人(10号) |
| 期間 | 6か月以上 | 1年以上 |
| 学ぶ内容 | 指定科目のうち基礎科目で学んでいない科目(専門科目が中心) | 指定科目の全部(共通科目+専門科目) |
| 課程 | 通学(昼間・夜間)と通信。通信は年2回入学の学校が多い | 同左。通信課程は社会人が多い |
| 実習 | 精神科医療機関と障害福祉サービス事業所などで210時間。免除要件は学校ごと | 同左 |
費用は学校ごとに違いますが、通信課程で入学金3万円・授業料12万円(テキスト代別)という例があります。
専門実践教育訓練給付の指定講座なら、受講費用の50%(年間上限40万円)が支給され、修了後1年以内に資格を取って就職すると追加で20%、さらに賃金が上がると10%が支給されます。
給付を受けるには受講開始の1か月前までにハローワークで手続きが要るので、出願と同時に確かめてください。
社会福祉士とどちらを先に取るか

社会福祉士を持っていると、精神保健福祉士は短期養成施設6か月以上で受験でき、試験は専門6科目だけです(11号)。
逆に精神保健福祉士を先に取った人も、社会福祉士の短期養成施設等で受験資格を得られ、共通科目が免除されます。
どちらを先にするかは、今の職場(精神科・障害福祉なら精神保健福祉士、高齢・児童・行政なら社会福祉士)で決める人が多いです。
社会福祉士の短期養成施設の比較は社会福祉士の短期養成施設(9か月)を完全比較、通信大学は社会福祉士の通信大学4年制完全比較で説明しています。
国家試験の中身:18科目・共通科目免除・合格基準・手数料
試験は難しいですか?
第28回の合格率は78.2%で、同じ年の社会福祉士(56〜61%台)より高めです。ただし一般養成施設等ルートは64.7%で、ルートによって差があります。合格基準は総得点の60%程度を目安に難易度で補正した点数で、すべての科目群で得点が要ります。
| 区分 | 科目 |
|---|---|
| 共通科目(12科目・社会福祉士の登録者は免除) | 医学概論/心理学と心理的支援/社会学と社会システム/社会福祉の原理と政策/社会保障/権利擁護を支える法制度/地域福祉と包括的支援体制/障害者福祉/刑事司法と福祉/ソーシャルワークの基盤と専門職/ソーシャルワークの理論と方法/社会福祉調査の基礎 |
| 専門科目(6科目) | 精神医学と精神医療/現代の精神保健の課題と支援/精神保健福祉の原理/ソーシャルワークの理論と方法(専門)/精神障害リハビリテーション論/精神保健福祉制度論 |
2025年2月の第27回から新しい出題基準になり、科目は上の18科目です。社会福祉士の登録者が申請すると共通12科目が免除されます。
| 項目 | 内容(第28回・第29回の案内) |
|---|---|
| 試験日 | 1月末〜2月初めの土日2日間。第28回は2026年1月31日(土)・2月1日(日)、第29回は2027年2月6日(土)・7日(日) |
| 申込期間 | 9月上旬〜10月上旬。第29回は2026年10月2日で受付終了 |
| 合格発表 | 3月上旬。第28回は2026年3月3日 |
| 受験手数料 | 24,140円。共通科目免除で受ける人は18,820円 |
| 合格基準 | 総得点の60%程度を基準に難易度で補正した点数以上で、すべての科目群で得点があること |
| 登録 | 合格後に試験センターへ登録申請。登録免許税15,000円・登録手数料4,050円 |
自己採点の手順と合格ラインの見方は精神保健福祉士国家試験 解答速報2027で説明しています。
共通科目の勉強は社会福祉士の過去問が使えます。社会福祉士の過去問を無料でダウンロードから始めてください。
合格率の推移とルート別の差
| 回(年) | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第24回(2022年) | 6,502人 | 4,267人 | 65.6% |
| 第25回(2023年) | 7,024人 | 4,996人 | 71.1% |
| 第26回(2024年) | 6,978人 | 4,911人 | 70.4% |
| 第27回(2025年) | 6,642人 | 4,694人 | 70.7% |
| 第28回(2026年) | 7,107人 | 5,558人 | 78.2% |
| 第28回のルート | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|
| 保健福祉系大学等 | 1,566人 | 73.7% |
| 保健福祉系短大等+実務経験 | 86人 | 47.0% |
| 短期養成施設等 | 2,806人 | 90.6% |
| 一般養成施設等 | 1,100人 | 64.7% |
合格者の半数は短期養成施設等ルートで、社会福祉士からのダブル取得が多いことが分かります。
一般養成施設等ルートは働きながらの人が多く、共通科目12科目を1年で仕上げる負担が合格率の差に出ています。
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取った後の仕事と、関連する資格・研修
精神保健福祉士は、精神科病院や精神科クリニック、障害福祉サービス事業所(就労移行支援・グループホーム・相談支援事業所など)、精神保健福祉センター、保健所、市区町村、司法分野(保護観察所・矯正施設)などで働きます。
精神保健福祉士法2条の定義は、精神障害者の社会復帰に関する相談に応じ、助言・指導・日常生活への適応のための訓練その他の援助を行うことです。
| 次の段階 | 要件との関係 |
|---|---|
| 相談支援専門員 | 精神保健福祉士は国家資格者として相談支援業務3年で要件に届く。相談支援専門員になるには |
| サービス管理責任者 | 国家資格による業務3年+相談・直接支援3年など。サービス管理責任者になるには |
| 精神障害者保健福祉手帳の実務 | 手帳の申請支援は日常業務。制度は精神障害者保健福祉手帳の申請方法とメリット |
| 公認心理師・社会福祉士 | ダブル・トリプルで持つ人が多い。社会福祉士は短期養成施設等で受験資格 |
出願前のチェックリスト

出願前に確かめること(ひな形)
- 卒業した学校の指定科目・基礎科目の履修認定(大学に照会)
- 相談援助の実務経験の有無と年数。実務経験証明書の発行依頼
- 養成施設の出願時期・課程(通学/通信)・実習の免除要件
- 受験申込は9月上旬〜10月上旬。卒業見込・修了見込での申込可否
- 社会福祉士の登録者は共通科目免除の申請
- 専門実践教育訓練給付の指定講座か。ハローワークの手続きは受講1か月前まで
国家試験のない任用資格から始めたい人は、社会福祉主事任用資格の取り方と使い道も参考にしてください。
よくある質問
介護福祉士の実務経験は受験資格に使えますか?
介護福祉士の資格そのものは受験資格になりません。指定施設で「相談援助の業務」に従事した期間だけが数えられます。
介護職として働いた期間は対象外なので、学歴に応じて養成施設ルートを選びます。
高卒でも精神保健福祉士になれますか?
なれます。指定施設で相談援助の業務に4年以上従事したうえで、一般養成施設で1年以上学べば受験資格を得られます(法7条10号)。
相談援助に当たる職務かどうかを職場と確かめてから計画してください。
通信課程の養成施設は何校ありますか?
一般養成施設・短期養成施設ともに、通信課程を置く学校が全国にあります。学校一覧は試験センターと厚生労働省のサイトに載っています。
入学は4月と10月の年2回の学校が多く、出願はその2〜3か月前です。
実習は免除されますか?
指定施設で1年以上相談援助をしている社会福祉士など、学校が定める条件を満たす人は実習の全部または一部が免除されます。
条件は学校ごとに違うので、出願前に勤務先の職務内容を伝えて確かめてください。
社会福祉士と同じ年に両方受けられますか?
受けられます。試験日は同じ週末で、精神保健福祉士の専門科目が土曜、共通科目が日曜に行われます。
両方の受験資格がある人は、共通科目を1回受けて両方の試験に使う形になります。
申込に間に合わなかったら?
第29回の申込は2026年10月2日で終了しています。次は第30回(2028年2月)で、申込は2027年9月上旬〜10月上旬です。
その間に養成施設の修了や実務経験の要件を整えてください。
登録しないと名乗れませんか?
合格しただけでは名乗れません。試験センターに登録申請をして登録簿に載ってから「精神保健福祉士」を名乗れます(名称独占)。
登録免許税15,000円と登録手数料4,050円がかかります。
まとめ
- 受験資格は法7条の11ルート。4年制大学卒は学部を問わず一般養成施設1年以上で受けられ、指定科目を修めた人はそのまま受験できる
- 短大卒は指定施設での相談援助1〜2年を足す。高卒は相談援助4年+一般養成施設1年。社会福祉士は短期養成施設6か月+共通科目免除
- 実務経験は「指定施設」での「相談援助の業務」だけ。介護職の期間は数えられない
- 試験は18科目(共通12+専門6)。第28回の合格率78.2%、短期養成施設等ルートは90.6%、一般養成施設等ルートは64.7%
- 第29回は2027年2月6日・7日(申込は終了)。第30回の申込は2027年9〜10月
- 通信課程なら働きながら取れる。専門実践教育訓練給付(50%+20%+10%)の対象講座かを先に確認
介護福祉士・社会福祉士の有資格者(元職員)。
障害福祉の現場(重度訪問介護)で10年の実務経験を持ち、医療・介護・福祉の資格と制度の情報を発信しています。
参考資料:精神保健福祉士法2条・7条(e-Gov法令検索)/厚生労働省「第28回精神保健福祉士国家試験の合格発表」(令和8年3月3日、受験資格別の内訳を含む)/公益財団法人社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉士国家試験 受験資格(資格取得ルート図)」「令和8年度 第29回試験」「第27回試験の官報公告(筆記試験18科目・社会福祉士の科目免除)」/厚生労働省「教育訓練給付制度」(専門実践教育訓練の給付率)(2026年10月9日確認)

